【ミエルカ2016/代表者の志インタビュー】味田千佳子さん(NPO法人ファミリーステーションRin:「組織基盤強化」コース)

「助成先が志を語るドネーションパーティ!」ではNPO法人ファミリーステーションRinの味田千佳子さんがスピーチをしてくれました。味田さんが語った産後サポートでの体験と“志”をお聴きになりたい方は、ぜひ、下記動画をご覧ください。

先輩ママから受けた支援のバトンを次の子育て家庭へ

私の子どもたちはそれぞれ20歳と17歳。私の子育ては日進市のママたちが運営していた「育児サークル」に助けられました。子育てが一段落したママたちがサポート役となり、集団遊びや年中行事を楽しんだり、情報交換をしたりできるサークルでした。私も子育てが落ち着いた後、サポート役として関わるようになりました。

今は公共のサービスが増え、親子で出かけられる場所も増えました。また、SNSで人とつながることができるようにもなりました。でも、Rinが昨年日進市で実施したアンケートによると、家事や育児に対する不安をひとりで抱え込んでいる人が多くいました。

子育て支援がなかった時代に親子で集まる場をつくり、子育ての大変さをわかち合おうとした先輩ママたちの存在。その人たちに支えられた私たちが、次の子育て家庭を応援する。そして私たちが応援した人たちが次の世代の人を応援してくれる…。そんな支援のバトンを渡せるといいなと思い、今はRinの産後サポートでサポーターとして子育て家庭を訪問しています。

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ママの大変さを共有することで生まれる信頼感、安心感がきっとある

「出産後の体調が戻りきらない身体で家事をこなし、慣れない育児もがんばって…。あの時は精神的に不安定だったなぁ」「友だちのSNS投稿を見て、同じ月齢なのにうちの子はできていない…といつも不安を感じていたなぁ」

こういう話を聞くのは、悩みの真っただ中にいるときではなく、赤ちゃんの首もすわり、外出もしやすくなった頃(生後6か月以降)です。核家族が進む今、誰かに話したい、誰かに助けてほしいと思う産後間もない時期を、何とかやり過ごしている子育て家庭がほとんどです。

だから、Rinでは訪問型の産後サポートを始めました。「最初は心身ともに疲れ、孤独感に襲われていたが、家族以外の人に会って話す機会が持て、育児を楽しめるようになってきた」「子どもの発達が心配で、他の子と比べられるのが気になってなかなか外出できなかったけれど、紹介してもらった子育て支援センターに今度行ってみようと思います」という声を聞き、Rinの家庭訪問型の産後サポートには、単に家事や育児をお手伝いするだけでなく、安心感や信頼感が生まれ、地域に一歩出てみようを後押しできる仕組みだなぁと実感しています。

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「訪問型産後サポート」で子育て家庭の“今”と“未来”を支える

今は育児休業制度が広まり、1年で仕事に復帰するママも増えてきました。地域と関わらなくても生活はできます。でも、災害に遭遇した時や、子どもが小学生から中学生へと育つ過程で、地域とのつながりが役に立つことはたくさんあるのです。

子育て家庭を訪問するサポーターは専門家から必要な研修を受け、それを修了した者です。サポーターは地域の子育て経験者でもあるので、地域に根づいた情報を子育て家庭へ伝えることができます。

Rinでは2年前から準備を始め、行政とも連携しながらようやく2017年4月から本格稼働する環境が整いました。産後サポートの1回の利用料は4,000円(2時間)です。まだまだ利用しやすい料金とは言えませんが、2018年度はクーポンを発行することで1回の利用料をおさえたいと考えています。子育て家庭が安心して子育てできるまち。それは子どもの健康な笑顔につながると信じています。寄付という形で子育て家庭を私たちと一緒に応援しませんか。

「取材したフレンドレイザーの声」武田 弥華さん(会社員)

味田さんのお話は、出産も育児も未経験である私の子育てに対するイメージをガラリと変えるものでした。そのひとつが出産後の精神的負担。ホルモンバランスの崩れから、多くのママは出産後「イライラする」「ちょっとしたことで涙が出る」「気分が変わりやすい」などの症状が出るそうです。味田さんは「でもその症状は2週間くらいで自然と消えていくもの。それを知っているか知らないかでは、心の余裕はだいぶ違うと思うの」とお話してくれました。

核家族化や、地域住民のつながりの希薄化。この時代の流れを変えることは難しいからこそ、Rinのような新しい形の支援が生まれる段階にきているのではないか。そう感じました。

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NPO法人ファミリーステーションRinの事業指定プログラム「ミエルカ」2016 安心して子育てできるまちづくり ~「産後サポート」ではじめの一歩~ を寄付で応援したい方はこちらからどうそ!