設立趣旨

50年後には現役世代1人で高齢者1人を支える時代がやってくる日本。わたしたちが暮らす愛知県も、高齢者率は2020年前後に25%を超え、現役世代は25年までに6%減り、高齢者1人を支える現役世代は2.3人になると予測されています。

社会が成熟し、買い替え需要しかない上に、お金を使う人が減っていく。普通に考えれば、景気がよくなることは想像できません。そうなれば当然税収も減り、あらゆる公共サービスをすべて行政が担うことは難しくなります。

これまで先進国だった日本が、今後「課題先進国」となっていく中で、その課題にいち早く気づき、解決に挑んでいるのが、市民公益活動団体(NPO)です。

NPOが事業を継続していくためには、安定した財源の確保が不可欠です。しかし、サービスの受益者が「社会的弱者」であることも多く、かかるコストのすべてを対価でまかなえないため、助成金や補助金等、短期的な資金の獲得に走ってしまう団体も見受けられるのが現状です。

資金源の確保にはNPOの自助努力も当然必要ですが、寄付等の“志金”で社会参加しやすいしくみを構築しなければ、NPOが本当の意味で「新しい公共」を担うことは困難です。地域や社会の課題を他人ごとではなく「自分ごと」として誰もが受け止め、それぞれの立場で解決策に参画できる仕掛けが今求められています。

そこでわたしたちは、自分たちの“志金”を自分たちのまちや暮らしに生かしていけるように、多様なステークホルダーと連携し、みんなで“志金”を持ち寄るしくみ『あいちコミュニティ財団』を設立します。

この市民立の財団は、愛知県内の地域課題を「見える化」し、その解決に挑むNPOの認知度を高めることで、NPOに必要なお金の流れをつくります。また、NPOの組織基盤強化(キャパシティビルディング)にも取り組むことで、NPOの信頼性を高め、安心できる地域の未来を創造します。

そして、暮らしづらさや生きづらさを抱えた当事者がその解決をあきらめてしまうのではなく、問題の当事者だからこそ解決策の担い手になれる。そんな選択ができる社会を次世代に遺すことを目指します。

 

2013年4月1日
一般財団法人あいちコミュニティ財団設立準備会

 

※ここでいう「NPO」とは、地域や社会の課題解決を目的に事業を展開する主体すべてを指します。あいちコミュニティ財団は、法人格の有無や種類を超えて、多様な担い手が課題解決に取り組むことを目指しています。