【深掘りしたい地域や社会の課題】NPO法人名古屋難民支援室

申請事業名:あいちに暮らす難民の子どもの無国籍実態把握のための先行事例可視化
申請団体名:NPO法人名古屋難民支援室

難民 写真
鶴舞公園で開催されたミャンマーの新年をお祝いする水かけ祭りの様子。日本人の子どもも外国人の子どもも一緒に遊んでいますが、この中に国籍がない子どもがいるかもしれません。

【深掘りしたい地域や社会の課題】
課題を象徴するあいちの数字:2015年の名古屋入国管理局での難民申請者数 約1500人

世界では戦争や迫害から逃れて、難民になる人が増えています。世界中で2014年には約6,000万人が家を追われ、私たちが住む地域でも2014年には700人、2015年にはその倍以上の1,500人が難民として保護を求めています。しかし、私たちは普段の生活で難民の人に会う機会がほとんどなく、どのような難民の人たちが地域にいるのか分かりません。また、難民と同時に増えているのが無国籍者です。国連の難民高等弁務官は、世界の無国籍者は1,200万人にのぼると推計しています。
無国籍者とは、国籍を持たない人のことです。そして難民とは、自分の国で迫害を受けるため、他の国に逃げた人たちを言います。難民は、自分が生まれた国で守ってもらえないため、国を捨てて逃げた人たちであることから、無国籍になるリスクが高いと言われています。どのような人が無国籍になるのか、また無国籍者の子どもの国籍はどうなるのか等、まずは、どういう人が無国籍になるリスクがあるのかを調べます。また、無国籍の子どもたちの生活、就学状況、将来抱える困難など、生きていく上でどのような課題に直面するかについて、先行事例を調べて、可視化します。

【課題の当事者】
(1)性別:男女/年齢:20~50歳/家族構成:夫婦・夫婦子ども/性格:難民として日本に逃れてきた人々。難民申請中、認定者、人道配慮による在留許可者/生活シーン:日本に逃れてきて、名古屋で家を借りて暮らしている人々/総数:約100人(なごや)
(2)性別:男女/年齢:0~12歳/家族構成:両親子ども/性格:母国の戦争や迫害から逃れてきた両親とその間に生まれた子どもが、名古屋で暮らしている。子どもは乳幼児や保育園や幼稚園、小学校に通っている/総数:約100人(なごや)

【課題の原因の仮説】
難民の発生や無国籍者の発生の大きな原因は、戦争や迫害だと思います。現在人々はみな国家という枠組みの中で暮らしていますが、難民は自分の出身の国で保護を受けられず逃れる人々です。また難民になったことにより、国籍を失うリスクを負い、それは難民の子どもたちにも及びます。
例えば、難民は紛争や迫害から逃れるために母国を捨てて逃げてきた人たちです。難民になったからと言って直ちに国籍を失うことはないと思いますが、日本に暮らすミャンマーの人たちの場合、パスポートが切れてしまっても更新することができず、日本政府が発行する再入国許可書を持っている人は、ミャンマーの国籍を失うことがあると聞きました。また、国籍がない親が日本で子どもを産んだ場合、その子どもも無国籍になると考えられます。このように様々な原因により無国籍になる人、生まれながらにして無国籍の子どもたちが日本にも暮らしていると考えられます。