2014年度の「あいちの課題深堀りファンド」には、愛知県在勤の公務員であるボランティアスタッフ「モグラー」10名と、ブラザー工業株式会社の従業員であるボランティアスタッフ「プロボノ」4名が、助成先のNPOが解決に挑む課題の深堀りをサポートしています。 また、一般社団法人地域問題研究所の研究スタッフ4名が「アドバイザー」として参画しています。
「あいちの課題深掘りファンド」2014に参画するボランティアのみなさんを紹介します。
※名前(所属)【支援先】
(1)社会人経験年数/NPOでの活動やボランティア経験
(2)最も「見過ごせない!」地域や社会の課題
(3)参加動機や意気込みなど
【モグラー(10名)】
●青木伸之(愛知県)【NPO法人多文化共生リソースセンター東海】
(1)8年/ときどき参加(年に数回)。
(2)若い人が自分のまちや社会や政治に関心が少ないこと
(その結果、まちの活性化が進まないし、また政策課題としても高齢者福祉などが優先されてしまう)
。
(3)「専門職の方と違い、自分たち自治体職員にはNPOの役に立つスキルなどない」なんて思ってましたが、課題の深掘りや文章で伝えることがNPOのステップアップに必要と聞き、それならば自分もサポートできると考え、参加することにしました。
●市村理沙(豊田市)【NPO法人多文化共生リソースセンター東海】
(1)7年/大学生のときに何回か参加。昨年震災ボランティア(肉体労働)を経験。
(2)子どもの貧困。
(3)仕事ではなく、それ以外で人の役に経ちたい。
(1)7年/まれに参加(年に1回あるかないか)。
(2)人と人との、バーチャルでなく、リアルでの「つながり」が減ってきていること。(ここからは個人的意見です)
→現在、孤独死等に代表されるように、周りから何のサポートも得られずに苦しんでいる人がたくさんいるように思います。その一方で、SNSなどでバーチャルでのつながりに人びとは依存されているように感じます。昔の話ではないですが、「向こう三軒両隣」。大事だったはずのつながりが、「プライバシー」という言葉のもと、いつのまにかなくなってしまっているような気がします。こういう現代だからこそ、改めて人と人とのつながりを増やして、お互いに助け合って生きていくことが求められるような気がします。
(3)知り合いから誘われた、というのが正直な気持ちです(笑)。過去に職務として地域担当職員や協働担当の部署に所属していたこともあり、地域での活動は好きな方だと思います。どんな活動をしているんだろうと、興味を持ったということも動機の一つです。●浦倫彰(豊明市)【NPO法人多文化共生リソースセンター東海】
(1)14年/頻繁に参加(月に1回以上)。
(2)外国籍児童の日本での就労。
(3)ガンバリマス!
●荻原美帆(瀬戸市)【名古屋視覚障がい者職業開発委員会】
(1)17年/参加したことはない。
(2)男性・女性の働き方と保育園の在り方について。
→待機児童を「0」、病児・長時間保育を充実すれば子育て支援になるか。多様な働き方を認める社会があれば、病気の子を預けなくても、長時間預けなくても楽しく仕事と子育てを両立できるのでは。
(3)課題にいち早く気づき取り組んでいる人を周りが手助けしたくなるようなそんな場面に自分も一員として立ち会いたいです。●北洞貴康(刈谷市)【名古屋視覚障がい者職業開発委員会】
(1)15年/ときどき参加(年に数回)。
(2)まちへの関心の希薄化。
(3)あいちの現場の声を感じてみたかったからです。関わり合うことで新たな気づきを得ることができればいいなと思います。●近藤祐子(大口町)【NPO法人多文化共生リソースセンター東海】
(1)18年/ときどき参加(年に数回)。
(2)地域の中のつながりが希薄化していること。
(3)課題を深堀りすること、してみることに興味あります。どんな作業工程でどんなところから情報を入手して、まとめていくのか…。ぜひ体験したいです。自分のまち以外の団体のがんばりに触れてみたい。一緒に取り組んでみたい。●松本小牧(豊明市)【NPO法人多文化共生リソースセンター東海】
(1)13年/ときどき参加(年に数回)。
(2)孤立化がすすむ地域社会においての高齢者の見守り、生活支援等。
(3)自治体職員仲間からの強い勧めで応募しました。ともに考え、ともに学びたいです。
●水谷泰啓(愛知県)【名古屋視覚障がい者職業開発委員会】
(1)5年/まれに参加(年に1回あるかないか)。
(2)若者無業者の増加。広い意味では仕事は人生と同じだと思います。職業を持たないということは本当の意味で生きていないという無気力な状態。無気力は社会全体に伝染するし、いずれは自分たちにも影響する可能性のある他人ごとではない問題だと思います。
(3)以前からNPOの活動に参加してみてかったが、なかなか機会や時間がなかった。普段の行政の仕事も課題の可視化が十分にできていないと思い、モグラ―としての経験が仕事上でも役に立つと思ったから。
●水野誠(瀬戸市)【名古屋視覚障がい者職業開発委員会】
(1)35年/ときどき参加(年に数回)。
(2)中小零細企業、事業者の衰退。
(3)よいところを共感し合える関係づくりができるとよいですね。
【プロボノ(4名)】
●杉村良彦(ソフトウェア第2開発部)【NPO法人岡崎まち育てセンター・りた】
(1)10年/頻繁に参加(月に1回以上)。
(2)待機児童の問題。女性の社会進出や少子化対策として出生数を増やすことを考えた場合に、障がいとなっていることの一つが出産・育児の問題です。名古屋市は待機児童を減らすことに重点的に取り組んでおり、ある一定の成果は出ています。しかし、本当は保育園に入れたいのに、「どうせ無理」といってあきらめている人など、潜在的なニーズはまだまだあると考えています。
(3)まず自分自身も新しい事業に挑戦したいと思っており、実際に起業している方と交流を深めることで自分にとってよい経験になると思い、参加しました。企業の中での新事業と、起業された方の事業の進め方がどのように異なるのかを比較し、お互いによい部分を取り入れるようにできたらと思っています。また、過去に知人が起業したもののその後失敗し、店をたたみました。その時の経験として、起業して全責任を持って運営している彼に外から口出ししても聞き入れてもらえないことが多いということです。起業家自身が自分で問題点に気づくよう、自分は鏡になることを心がけたいと思います。
●高橋啓介(LE開発部4G)【NPO法人岡崎まち育てセンター・りた】
(1)14年/参加したことはない。
(2)近所の遊歩道を、夜間バイクで走っている人がいます。危険なので、見過ごせませんが、注意する勇気はないです。
(3)製品やサービスなどの抱えている課題を解決し、価値を向上させるプロセスである。ファンクショナルアプローチ(FA)という手法を業務で使っており、そのスキルを生かせないかと思ったのが参加動機です。また、活動を通して、普段体験できないような経験や刺激を通し、日々のモチベーションアップにつなげていけたらいいなと期待しております。
●藤沢勲美(LE開発部3G)【NPO法人岡崎まち育てセンター・りた】
(1)13年/参加したことはない。
(2)高齢化社会。また少子化による逆ピラミッド社会になることによって起きる問題がいろいろと重いので。
(3)新しい経験ができることを期待して参加しました。自分の経験が役に立てば幸いです。
●T.M.【NPO法人岡崎まち育てセンター・りた】
(1)14年/まれに参加(年に1回あるかないか)。
(2)保育園入所の難しさと待機児童・病児保育について。近々子どもが産まれるが、妻の職場復帰を考えて、早期に保育園を見繕っておかないといけない。しかし、入れるかどうかの保証はない。また、入園アクセスの煩雑さや保育時間の短さ、病気時の対応など、不安要素が大きく共働きを続ける場合の障がいになっていることは容易に推察され、自分の現状だけでなく、友人の状況からもそれが容易に類推できること。
(3)普段の業務上、ベンチャー企業への投資事業支援等を行っているが、ブラザーの新規事業と関連のある分野の企業に限られる。今回の活動ではそのような分野の縛りを掃って、どういう起業支援ができるのかをいろいろと試したい。行える支援はサービスのコンセプト立案や事業計画の作成(資金調達用の計画込み)、国内外のベンチャー・コミュニティのキーマンへの紹介等々が可能。
【アドバイザー(4名)】
●池田哲也【名古屋視覚障がい者職業開発委員会】
(1)15年/業務で関わった緑区鳴子学区や西区弁天通商店街などの活動に業務終了後も個人的に関わらせてもらっています。地元のオヤジグループ「岩倉OYG(おやじ)クラブ」で、地域の子どもたちの活動を応援するボランティア活動を実践中です。
(2)子育て世代として、「子どもの貧困」や「幼児虐待」など近年の子どもを取り巻く問題は見過ごせないと感じています。また、退職後のアクティブシニアの地域デビューにも関心があります。地域の高齢者の生活支援等の担い手として期待しています。
(3)業務で培った経験を生かして、志をもって活動している団体の自立や発展のお手伝いができればうれしいです。今回の出会いがきっかけとなって、支援団体とモグラーのみなさん、財団、アドバイザーのゆるやかなネットワークが継続できることを期待しています。
●加藤栄司【NPO法人多文化共生リソースセンター東海】
(1)25年/とあるNPOの理事経験あり。また、住んでいる所のNPOにも会員(今は幽霊会員と化している)
(2)本格的な少子高齢社会・人口減少時代の到来を見据えた地域社会のあり方や都市・農山村問題など、さまざまな地域問題に興味をもって取り組んでいます。社会的に弱い立場にある人に降りかかっている問題(いじめや虐待、子どもの貧困など)に涙してしまいそうになることも間々あります。
(3)がんばっている(がんばろうとしている)方々に寄り添いながら、微力ですが応援できればと思っています。「共に悩み、共に学び、共に知恵を絞る」をモットーに。
●春日俊夫【NPO法人多文化共生リソースセンター東海】
(1)25年/ほとんどなし。
(2)自分の住む地域に対する市民の関心が低くなっていること。地域で起きていることを他人事として捉える人が多くなっていること。
(3)専門家としての視点だけではなく、ふつうの市民としての感覚を大切にしながら、一緒に考えていきたいと思います!
●宮原知沙【NPO法人岡崎まち育てセンター・りた】
(1)7年/昨年度、あいちコミュニティ財団の「ミエルカ」でフレンドレイザーをさせていただきました。その他、多文化共生の活動等に参加させていただいています。
(2)多様な人(世代、職業、障がいのある方、国籍など)がいて、歴史や文化、産業に触れることができ、時間の過ごし方や過ごす場を多様に選べて、一人ひとりが活躍する場所がある、多様性を認められる地域になったらよいと思っています。
(3)業務としてだけではない場所で、業務で得たものを活かせないかと考えていました。今、開始から1ヶ月ほど経ちましたが、正直まだまだお役に立てていません。残り2ヶ月、よい白書ができるようにがんばります。どうぞよろしくお願いいたします。