事業指定プログラム「ミエルカ」2014
助成先(事業指定寄付先)選考結果
▼事業指定プログラム「ミエルカ」とは?
事業指定プログラムとは、あいちコミュニティ財団(以下、当財団)と参加する市民公益活動団体(NPO)が一緒になって寄付を集める“志金”調達サポートプログラムです。「地域で今、何が起きているか?」「課題は何か?」を広く訴え、その解決策(=参加NPOが行う取り組み)への寄付金を当財団経由で集め、集めた寄付金から運営費を除いた額を助成金として交付します。
参加NPOは、寄付を集める計画を当財団とともに考え、Webサイトなど、寄付を集めるためのツールを整備します。また、参加NPOは、当財団が用意するクレジットカードの決済機能を活用することができます。寄付募集を通して、参加NPOが解決に挑む地域や社会の課題を「見える化」し、その認知度を高めることで、NPOに必要なお金の流れをつくります。また、そのプロセスを通して参加NPOの組織基盤強化にも取り組み、NPOの信頼性を高めることで、安心できる地域の未来を創造することを目指します。
▼選考委員会 ※★:委員長
・小島祥美氏(公益財団法人あいちコミュニティ財団 理事/愛知淑徳大学 准教授)
・小林宏之氏(公益財団法人中部圏社会経済研究所 代表理事)
★昇秀樹氏(名城大学 教授)
・前山憲一氏(半田市社会福祉協議会 まちづくり課 課長)
・牧野清光氏 (刈谷市民ボランティア活動支援センター センター長)
▼委員長総評
あいちコミュニティ財団が2年目の取り組みとして行った事業指定プログラム「ミエルカ」2014に最終選考会の委員の1人として参加させていただいた。感じたことの1つは、なかなかよく考えられたプログラムだということ。このプログラムは、あいちコミュニティ財団と採択されたNPOが一緒になって“志金”と呼んでいる“寄付金”を集め、地域の課題解決にあてようというものだ。
市町村などがNPOなどへの助成金として補助金を交付しているプログラムは数多くあるが、“志金”を一緒に集め、その中でNPOの実力を高め、地域の課題を解決しよう、というアイデアがおもしろく、秀逸だ。さらに、実際の“志金”調達を応援するボランティアスタッフ「フレンドレイザー」による支援が得られる、というところも大きな特徴と言える。
現金を助成しようというのではなく、“寄付”=“志金”の集め方を人手を使って支援しよう、というところにこのプログラムの特色があり、NPO支援の本気度が感じられるというものだ。
「財」という字の意味はお金(貝)を与えるのではなく、お金(貝)のかせぎ方(才)を教えるという意味だということを聞いたことがあるが、あいちコミュニティ財団がやろうとしていることは、こういうことかもしれない。
もう一点感じたことの1つは、こういう現金の交付を受けられるプログラムではなく、NPO自身が汗をかき、自分で“志金”を集めようという、決して楽とはいえないこのプログラムに応募するNPOがいくつもあった、ということだ。
楽してお金を得よう、というスタンスではなく、苦労をしても“志金”の集め方を学ぶことがNPOの持続可能性を高める、地域課題の持続的な解決が可能になると考えてのことと推測するが、愛知にそうした意識を持ったNPOが多数存在するということに、社会の中に着実にNPOセクターが根づき始めているように感じた、と言うと言い過ぎだろうか。こうしたプログラムが長く続けられる環境ができたとすれば、日本は成熟社会に移行できるのかもしれない。
公益財団法人あいちコミュニティ財団
事業指定プログラム「ミエルカ」2014選考委員会
委員長 昇秀樹
募集要項はこちらをご覧ください。
▼一次(書類)選考
・応募件数:7事業(申請総額:6,576,000円)
・選考対象数:5事業
・書類選考通過数:5事業
一次(書類)選考の様子はこちらをご覧ください。
▼最終(ヒアリング)選考
・採択件数:4事業
●事業名:不登校・ひきこもりの子どもたちの再生プロジェクト
・団体名:NPO法人子どもたちの生きる力をのばすネットワーク
・事業拠点:半田市
・分野:子ども・教育
・コース:「フレンドレイザー」コース
・選考委員の講評:長年の実績と経験に基づいたご提案でした。本事業を通じて、ぜひ貴活動で見守る子どもの状況を社会に「見える化」していただきたいです。そして、貴活動を必要としている子どもたちのためにも、「後継者の育成」が重要かと思いますので、そうした視点も重視しながら、本事業に取り組んでいただきたいと願います。応援しています!
●事業名:障がいのある子たちが元気になるアートスペース「あとりえ・クレッシェンド」
・団体名:NPO法人安城まちの学校
・事業拠点:安城市
・分野:障がい者
・コース:「フレンドレイザー」コース
・選考委員の講評:活動内容や現時点に至るプロセスがとてもわかりやすかったです。すでに企業等の支援が得られ始めており、「寄付文化を定着させる」という目的も本事業のコンセプトにマッチしていると思います。作品の商品化や、より地域に根差した活動として発展されることを期待しています。
●事業名:漢字カードによる日本語学習応援事業
・団体名:NPO法人にわとりの会
・事業拠点:小牧市
・分野:多文化共生
・コース:「住友理工」コース
・選考委員のコメント:外国につながる子どもたちが「漢字の壁」を乗り越え、高校に進学できる言語力を身につけてもらおうと、漢字カードも活動内容も、昨年よりさらにグレードアップされています。漢字カードには、これまでの経験や知恵がいっぱい詰まっていますので、子どもたちの大きな味方になってくれることでしょう。
●事業名:マイチャレンジインターンシップ2015
・団体名:NPO法人アスクネット
・事業拠点:名古屋市熱田区
・分野:子ども・教育
・コース:「フレンドレイザー」コース
・選考委員の講評:近年加速化している若者の早期離職やニート、フリーターの歯止めには、学校から職場への円滑な移行が必要と捉え、学校へ企業人講師の派遣や職業高校のインターンシップを行ってきた貴団体が、今回は大学に入ってからのキャリア教育では遅すぎるということで、普通高校へのインターンシップに挑戦しようとしています。また、実力のある団体ですが、助成金から寄付金体質へ移行するため、一般市民・企業から一層共感を得る団体を目指しています。日本の寄付文化波及のためにも、ぜひがんばってください。
最終(ヒアリング)選考の様子はこちらをご覧ください。
▼応募事業・団体の概要(応募件数:7事業)
●地域
□尾張地区:1(14%)
□名古屋地区:4(58%)
□知多地区:1(14%)
□三河地区:1(14%)
●分野
□子ども・教育:4(58%)
□障がい者:1(14%)
□お年寄り:1(14%)
□多文化共生:1(14%)
□まちづくり:0(0%)
□働き方:0(0%)
□文化・スポーツ・科学:0(0%)
□環境:0(0%)
□NPO支援:0(0%)
●申請総額(6,576,000円)
□1事業あたりの平均申請額:939,428円
□申請事業の予算総額:12,257,500円
□1事業あたりの平均予算額:1,751,071円
□助成金利用比率:54%
●申請額
□200万円以上:1(13%)
□100万円以上~200万円未満:2(29%)
□50万円以上~100万円未満:2(29%)
□50万円未満:2(29%)
●種別
□一般社団法人:1(14%)
□NPO法人:5(72%)
□任意団体:1(14%)
●活動年数
□15年以上:2(28%)
□10年以上~15年未満:1(14%)
□5年以上~10年未満:0(0%)
□3年以上~5年未満:1(14%)
□0年以上~3年未満:3(44%)
●有給スタッフ数
□10人以上:1(14%)
□3人~9人:2(28%)
□1人~2人:1(14%)
□0人:3(44%)
●年間予算規模(直近決算での経常収入)
□5,000万円以上:1(14%)
□1,000万円以上~5,000万円未満:0(0%)
□500万円以上~1,000万円未満:1(14%)
□100万円以上~500万円未満:4(44%)
□100万円未満:1(14%)
以上