【ミエルカ2015/代表者の志インタビュー】伊藤八千穂さん(NPO法人子どもたちの生きる力をのばすネットワーク)

「助成先が志を語るドネーションパーティ!」ではNPO法人子どもたちの生きる力をのばすネットワークOBの大橋健志朗さんがスピーチをしてくれました。大橋さんが語ったフリースクールでの体験と“志”をお聴きになりたい方は、ぜひ、下記動画をご覧ください。

誰かの「心の叫び」を聞くのがわたしの仕事

大学時代に仙台の病院で小児科の生活指導員として働いていました。そこでは病を持って生きている子どもたちの生活を目の当たりにしてきました。

明日生きているかわからない。そんな子どもたちがギリギリで生きている姿を見て「生きる力」というものを強く感じました。そして、子どもたちの「心の叫び」を聞いてあげることが自分の役割でした。

そんな私がこの活動を始めたきっかけは20年前、小学校に通っていた娘の担任から、「クラスに不登校の子どもがいて、親が悩みを抱えて困っている。多くの先生も困っている。今の子どもたちは『生きる力』が不足している。そんな子どもや親のための会をつくるので手伝ってほしい」と誘われたことでした。親の背中に隠れ、元気のない目をしている子どもを見たとき、私たちは「子どもの『生きる力』をのばす場所」が必要と考え活動を始め、気がつけばあっという間に20年が経っていました。

志八千穂さん

どんな子どもでも「不登校」になる可能性がある

半田市では29人に1人の中学生が学校に通えていません。ちょうどクラスに1人の割合で学校に行けない子どもがいるのです。では不登校になった原因は何でしょうか? 実は、原因は不登校の子どもたちの支援をしている私たちにもわからないことが多いのです。

学校で少し嫌なことがあった、先生に叱られた、友だちとケンカをした、勉強のやる気が出ない…。後になってわかる原因はさまざまですが、親ですら、不登校の原因に気づくことは難しいものです。加えて、現代の子どもは私たちが子どもの頃に比べ、大事にされすぎているためか、小さな障がいにつまずきやすくなっています。昨日まで元気に登校していたあなたの子どもが今日から不登校になってしまう。そんなことも大いにありえるのです。

人生の若い時期に、ほんのささいなつまずきをしただけで、夢ある未来を描けない子どもになってしまう。そんな子どもが増えたら社会にとって価値ある人材を失うことにもなりかねません。そういった視点からも、当団体のようなフリースクールが今後大きな役割を果たしていくと私たちは考えています。

志インタビュー

さらに子どもに寄り添ったサポートがしたい

当団体は現在、試験的に2部制(昼・夕)に取り組んでいます。それは生活サポートが必要な子もいれば、学習サポートが必要な子もいて、子ども一人ひとりに寄り添ったサポートが必要となってきたからです。

また、悩みを抱えているのは子どもだけではありません。最近は保護者の「心の叫び」も聞き、少しでも精神的な負担を和らげることが重要となってきました。

このようにさまざまな変化に対応していくために、多くの方の支援と協力をのばす会は必要としています。今、この変化の時にしっかりとフリースクールの基盤を築き、子どもたちが休める、学べる、成長できる居場所を提供し続けることで、社会をよい方向へと変えていく団体になりたいと考えています。

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「取材したフレンドレイザーの声」水谷泰啓さん(公務員)

自分は不登校になったりすることなく、当たり前のように学校に通っていました。しかしそれは、周りの大人、友だちなどに運良く恵まれていただけかもしれないと、代表の伊藤さんのお話を聞いて思いました。誰にでもつまずくことはあるが、そのつまずきは将来社会のために役立つ、大きな力になるかもしれない。のばす会のようなフリースクールは、多種多様な人材を育てつつ、複雑化するこれからの社会に必要な力を養うことができる場所だと思います。のばす会を応援することは、子どもにとってのセーフティネットをつくるだけでなく、多種多様で豊かな人材を育てていくための投資だとも思います。

志水谷さん
 

NPO法人子どもたちの生きる力をのばすネットワークの事業指定プログラム「ミエルカ」2015~不登校の子どもたちの自立支援事業プロジェクト~を寄付で応援したい方はこちらからどうそ!