【ミエルカ2014/代表者の志インタビュー】伊藤八千穂さん(NPO法人子どもたちの生きる力をのばすネットワーク 代表理事)

伊藤八千穂さんが「助成先が志を語るドネーションパーティ!」で語った“志”をお聴きになりたい方は、ぜひ、下記動画をご覧ください。

「ほっとけない」不登校の子どもも、親も、そして先生も

この活動を始めたきっかけは20年前、小学校に通っていた娘の担任から、「クラスに不登校の子どもがいて、その親が悩みを抱えて困っている。多くの学校の先生も困っている。今の子どもたちは『生きる力』が不足している。そんな子どもや親のための会をつくるので、手伝ってほしい」と誘われたことでした。

私はただ「ほっとけない」という気持ちだけでこの活動に参加し、気がつけばあっという間に20年が経っていました。親の背中に隠れ、元気のない目をしている子どもを見たとき、私たちは「子どもの『生きる力』をのばす場所」が必要と考えました。

毎年10名を超える子どもたちが、のばす会に通ってきます。最初は毎日続けて通うことも、しゃべることもできない子どもが、だんだん話すようになり、笑うようになっていきます。『生きる力』は少しずつ芽生えてきます。私はそんな子どもたちが「ほっとけない」のです。

写真_のばす会(八千穂さん中島さん)

半田市では29人に1人の子どもが学校に行けず夢ある未来を描けずにいる

半田市では29人に1人の中学生が学校に行けていません。ちょうどクラスに1人の割合で学校に行けない子どもがいるのです。学校に行けない子どもたちは進学を断念せざるをえません。子どもたちは夢ある未来を描けず、苦しんでいます。その親もまた大きく悩み苦しんでいます。そして、学校の先生もまた同じです。

のばす会は学校に行くことができない子どもたちへ学習と生活の場を提供しています。悩みを抱える親たち、時には先生たちの相談に乗ります。そして、地域の方へ青少年の健全育成に関する情報提供を行っています。

のばす会を卒業していったOBの活躍を目にし、のばす会へ通う子どもたちから「私もやってみたい」「ぼくにもできる」と、「生きる力」の連鎖が生まれています。子どもたちはみな「生きる力」を持っています。その力をのばすことができるのは、親や教師だけではありません。地域や社会の力が必要です。私たちと一緒になって、子どもたちの生きる力をのばしていきましょう。

写真_のばす会(八千穂さん)

不登校の子どもたちの居場所を支えてください

のばす会を卒業したOB・OGは、後輩たちに勉強を教えたり、会の運営を手伝うために、卒業後も会いに来てくれます。また、月に1回開催している、のばす会を卒業した子どもたちが集まるOB・OG会には、多くの子どもたちが参加してくれています。彼らに「もし、この場所がなくなったらどう思う?」と訊いたことがあります。彼らからは、「絶対ダメ、困る」。そして「後輩たちのためにも続けて」と言われました。

この居場所が、この会が必要なことは、子どもたちが一番知っています、私たちはそんな子どもが1人でもいる間は、のばす会を続けていかなくてはなりません。そして、ここに通ってくる子どもたちを、私たち大人が、地域が、社会が、支えていかなくてはいけないと思います。

子どもたちの未来のために「ほっとけない」という思いを私たちに寄せてください。

「取材したフレンドレイザーの声」中島義則さん(会社員)

写真_のばす会(フレンドレイザー中島さん)

私はのばす会の活動内容を初めて知ったとき、「不登校の子どもたちを減らす」活動をしているのだと考えていました。しかし、平日にのばす会を訪問し、子どもたちの日常を見て、代表の伊藤さんと話をしたことで、伊藤さんが繰り返し話す、子どもたちの「居場所をつくる」「生きる力をのばす」ということが、本当に必要だと感じました。

これからの社会をよくしていく活動も必要ですが、今困っている、今悩んでいる子どもが目の前にいる。そんな彼らを「ほっとけない」と手を差し伸べる活動は、すばらしいと思いました。伊藤さんはやさしく、またときに厳しく、子どもたちと向き合っていました。

私も、のばす会を「ほっとけない」と思いました。

 

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