「東海ろうきん傍楽ファンド」2014年度助成事業報告

●事業名:パンジー手芸部設立プロジェクト
・団体名:NPO法人パンジー
・助成金額:400,000円
※解決に挑んだ【地域課題】と【解決策】は、下記をご参照ください。
【地域課題】 重症心身障害者の4.9%が働くことや就労に関心があるが就労支援施設がない
【解決策】 パンジー手芸部設立プロジェクト

【助成事業に取り組む中で、最も印象的なストーリー】
21歳のはるえちゃんは昨年、グループホームに入りました。グループホームに入るには少し若すぎますが、お母さんが末期ガンだからです。食餌療法を実践するお母さんが、はるえちゃんと2人でパンジーに無農薬のグレープフルーツとレモンを収穫に来たときに、グループホームでは自由時間にみんなで刺繍をしていると話してくれました。「でも、この子は手が不自由だから、みんなみたいに上手にできなくて…」と、お母さんがため息をつきました。「それなら、今からミシン刺繍やってみる? かばんぐらいならすぐできるから!」と、ボランティアの方が糸かけを担当し、はるえちゃんがボタンを押して2時間後、すてきな手提げができました。

「お店で売っているかばんみたいにすてき! これ、はるえが刺繍したんだって言っていいんだよね!」と、お母さんが感嘆の声を上げました。「そう。刺繍したのは、間違いなくはるちゃんだよねー」とボランティアの方が言うと、はるえちゃん本人も「うれしい!」と喜んでいました。グループホームでも、きっとみんなにうらやましがられていると思います。

パンジー写真1パンジー写真2
※写真は、タッチパネルを使った作業と改造したミシンを使って刺繍をする様子。

●事業名:精神障がい者の就労を勇気づけるルームの開設事業
・団体名:雇もれびの会
・助成金額:300,000円
※解決に挑んだ【地域課題】と【解決策】は、下記をご参照ください。
【地域課題】 障害者手帳保持者のうち、就労している精神障がい者は2.8%
【解決策】 精神障がい者の就労を勇気づけるルームの開設事業

【助成事業に取り組む中で、最も印象的なストーリー】
精神障がい者は、自分が世話を焼くより世話を焼かれる立場にあることが多く、自信喪失につながっている側面もあります。自信をつけるために、自分のできる簡単なことで誰かの世話をしたり、誰かの役に立ったりする経験をすることで、自己尊重感を高めることができます。エンカレッジルームでは、自分の好きなことや得意なことを他人に教えるミニワークショップ(レクチャー)を企画してきました。

ミニワークショップ後の参加者から、下記の感想が寄せられました。
・当事者講師:1時間があっという間に過ぎた気がします。とてもいい経験ができて、楽しいひとときを過ごすことができました。自分への自信につながり、またやってみたいと思いました。今日、参加できたことをとてもうれしく思います。
・ファシリテーター:愚痴カフェが、ただ愚痴をこぼすだけでなく、人の得意なことを生かし、仲間と共有する会に育ったことを大変うれしく思います。“ビートルズ特集”では音楽を通じて、参加者が自然に打ち解け合っていく様子が印象的でした。
・受講者(1):今日は、久しぶりにビートルズの歌を聴くことができました。子どものころに兄がビートルズを好きでよく聴いていたので、懐かしく思い、体がスイングしていました。ゆったりと聴く曲は心もゆったりとしてとても落ち着き、楽しい気持ちになります。
・受講者(2):今日は、ビートルズの歴史についてのワークショップに参加しました。参加させてもらって、とても居心地がよかったです。自分のためにもなるし、居心地がいいのは、心の栄養になります。居場所と居心地の2つが私には必要なので、こうした愚痴カフェという場所を継続してほしいと思います。

こもれび写真1こもれび写真3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こもれび写真2

※写真は、毎月行われている愚痴カフェのチラシと参加者のみなさん。愚痴カフェに参加いただいたみなさんの声を集めて、マガジンも発行できました。