「東海ろうきん傍楽ファンド」 2017年度助成先選考結果
▼「東海ろうきん傍楽ファンド」とは?
「東海ろうきん傍楽(はたらく)ファンド」(※)は、東海労働金庫の「働く人の夢と共感を創造する」という経営理念から、働く人を応援する市民公益活動団体(NPO)をサポートするしくみとして設置されました。「働く」の語源のひとつとされる「傍楽」(身近な人を楽(らく)にする)という基金名に、誰もが喜びを持って共生できる社会の実現に向けた思いが込められています。
また、本ファンドでは、東海労働金庫の役職員による助成事業への参加を促し、実際に助成先へ関わる機会をつくることも目的としています。助成事業を通して東海ろうきんの役職員を巻き込み、自団体の組織基盤強化へとつなげることで、ひとりでも多くの働く人の夢と共感を創造することを目指しています。
※本ファンドの助成金の原資は、東海労働金庫のお客様の新規契約「普通預金」1件につき10円、「住宅ローン」1件につき100円、こども用積立預金「おやごころ」のお預入残高の0.01%が東海労働金庫より拠出されています。
▼選考委員会 ※★:委員長
・小川拓也さん (リンナイ株式会社 総務部長兼広報部長)
・小辨野敦さん (東海労働金庫 営業統括部 愛知営業グループ)
・下島大樹さん (刈谷市役所 市民活動部 市民協働課 協働推進係)
★永田尚子さん (社会福祉法人むそう 理事)
・由里宗之さん (中京大学 教授)
▼委員長総評
今回の最終選考会では、「多文化共生」「長期無職者の社会復帰支援」「障害のある方への支援」を軸に活動されている3団体さんが、「日ごろの活動」「地域の課題」「対象者の現状」「課題解決のためにしたいこと」などを、パワーポイントを使ってプレゼンテーションされました。昨年も感じたことですが、この選考会に至るまでの「地域課題の抽出」や「プレゼンの仕方」など、応募団体の方の活動への「支援の輪」=「志金」は始まっていて、あいちコミュニティ財団の事業の奥深さも感じました。
選考委員会では、3団体から2団体を選ぶということではなく、東海ろうきん傍楽ファンドの「働く」「傍楽」をキーワードに、このファンドを地域課題の解決のためにいかに有効に使えるか? そのためにどう配分するのがいいのか? 団体の今後へのアドバイスなどを議論しました。また、私個人としては、結果はともかく、選考会に残った3団体の方たちには、それぞれの活動を地域課題解決の未来に向けて広げ、このファンドの「働く人の夢と共感を創造し、身近な人を楽にする」を実現してほしいと思いました。
今回の最終選考会では、昨年に引き続き選考委員長を務めさせていただきました。頼りない選考委員長でしたが、選考委員の皆さま、事務局の皆さまに助けられ、何とか務めさせていただき感謝しております。また、お忙しいなか最終選考会にご参加くださいました東海労金の各支店長の皆さまにお礼申し上げます。
公益財団法人あいちコミュニティ財団
「東海ろうきん傍楽ファンド」
2017年度選考委員会委員長
永田尚子
募集要項はこちらをご覧ください。
▼選考委員会(プレゼンテーション選考)
・応募件数:5事業(申請総額:201万円)
・選考対象数:5事業
・採択件数:2事業
●事業名:外国人労働者のための新しい日本語学習の仕組みづくりプロジェクト
・団体名:多文化市民メディアDiVE.tv放送局
・事業拠点:名古屋市中村区
・助成金額:450,000円
・選考委員の講評:選考委員の講評:昨今の人手不足の激化により、日本が少子高齢化のなか外国人労働者を常時必要とする社会になっていることは一層明白であるのに、「移民受入アレルギー」を持つ政府は「技能実習」の看板(本国に帰るのだから公費での日本語教育までは不要)を降ろそうとしません。このプロジェクトの取り組みは社会的に、また経済的にも喫緊であるとともに、その取り組みを通じ地域の人びとへの(「外国からの働き手は大切な仲間」という)啓発となり、ひいては政策の改善にもつながることを期待します。
●事業名:長期無職の人に在宅ワークやひとりでできる仕事をつなぐ
・団体名:NPO法人社会復帰支援アウトリーチ
・事業拠点:一宮市
・助成金額:355,143円
・選考委員の講評:働くことにハンディキャップを持ち、長期無職の方が数万人規模に上るという見込みは、まさに大きな社会課題であると認識しました。その課題に真っ向から向き合って、長期無職者に在宅ワークという形で就労支援を行い、社会復帰のきっかけ作りを行う狙いは、当ファンドの趣旨に合った意義深い取り組みだと思います。マッチングの方法は難しいと思いますが、展示会出展やパンフレットの配布を通して、成果につながればと期待しています。
▼応募事業・団体の概要(応募件数:5事業)
●分野
□障がい者:2(40%)
□働き方:1(20%)
□多文化共生:1(20%)
□子ども・教育:1(20%)
●申請総額(201万円)
□1事業あたりの平均申請額:40万円
□申請事業の予算総額:268万円
□1事業あたりの平均予算額:53万円
□助成金利用比率:75%
●種別
□NPO法人:3(60%)
□任意団体:2(40%)
●活動年数
□5年以上:1(20%)
□3年以上~5年未満:1(20%)
□0年以上~3年未満:3(60%)
●有給スタッフ数
□5人~10人:3(60%)
□3人~4人:0(0%)
□1人~2人:1(20%)
□0人:1(20%)
●年間予算規模(直近決算での経常収入)
□5,000万円以上:0(14%)
□1,000万円以上:2(40%)
□500万円以上~1,000万円未満:2(40%)
□100万円~500万円未満:0(14%)
□100万円未満:1(20%)
以上