「東海ろうきん傍楽ファンド」 2016年度助成先選考結果

「東海ろうきん傍楽ファンド」 2016年度助成先選考結果

▼「東海ろうきん傍楽ファンド」とは?
「東海ろうきん傍楽(はたらく)ファンド」(※)は、東海労働金庫の「働く人の夢と共感を創造する」という経営理念から、働く人を応援する市民公益活動団体(NPO)をサポートするしくみとして設置されました。「働く」の語源のひとつとされる「傍楽」(身近な人を楽(らく)にする)という基金名に、誰もが喜びを持って共生できる社会の実現に向けた思いが込められています。

また、本ファンドでは、東海労働金庫の役職員による助成事業への参加を促し、実際に助成先へ関わる機会をつくることも目的としています。助成事業を通して東海ろうきんの役職員を巻き込み、自団体の組織基盤強化へとつなげることで、ひとりでも多くの働く人の夢と共感を創造することを目指しています。

※本ファンドの助成金の原資は、東海労働金庫のお客様の新規契約「普通預金」1件につき10円、「住宅ローン」1件につき100円、こども用積立預金「おやごころ」のお預入残高の0.01%が東海労働金庫より拠出されています。
http://aichi-community.jp/news/15638

▼選考委員会 ※★:委員長
・五十川裕記さん(中日信用金庫 業務統括部 副部長)
・稲熊美樹さん(中日新聞 生活部 記者)
★永田尚子さん(社会福祉法人むそう 理事)
・南俊博さん(東海労働金庫 総合企画部 次長)
・由里宗之さん(公益財団法人あいちコミュニティ財団 副代表理事/中京大学 教授)

▼委員長総評

最終選考会に残った4団体のプレゼンテーションは、団体のみなさんがとても緊張されている中、「社会の課題に対して、自分の団体が何をしたく、そして何ができるのか」をしっかり伝えようとされて、みなさんのエネルギーの基になるものが何なのかがよくわかりました。その上で、私の頭の中を「東海ろうきんとの協働」「傍楽」「志金」などのキーワードが回っていました。

場所を移した選考委員会では、多彩な立場の委員の方の率直な意見が交わされましたが、共通していたのは、このファンドが一時の助成金ではなく、つながっていく関係性の中での協働のための“志金”であるという認識だと思いました。助成先は2団体でしたが、それぞれの団体の活動へどんな支援ができるのか、働く人の夢と共感を創造するために「こんなアイデアもあるよ」と、委員からも未来へつながるいろいろな提案がありました。また、東海労働金庫の各支店長のみなさんが選考会に参加してくださり、支店長のみなさんの投票結果が選考に反映されたことも大変よかったと思います。

4団体のみなさんが提出された助成事業申請書の完成度の高さや、プレゼンテーションのパワーポイントなどを見せていただいて、このファンドの募集から最終選考会まで、この約2ヶ月の間にすでに“志金”は動いているのだなあとしみじみ感じています。学びのあるよい時間をいただき、感謝しております。

公益財団法人あいちコミュニティ財団
「東海ろうきん傍楽ファンド」
2016年度選考委員会委員長
永田尚子

募集要項はこちらをご覧ください。

▼選考委員会(プレゼンテーション選考)
・応募件数:8事業(申請総額:264万円) ※CANPAN★5つを取得できなかった1団体を除く
・選考対象数:4事業
・採択件数:2事業

●事業名:障がいがあってもいきいきと働くために
・団体名:NPO法人夢工房
・事業拠点:名古屋市中川区
・助成金額:380,000円
・選考委員の講評:
働く人たちの「夢」が自然素材の木を通して形となり、それを使って遊ぶ子どもたちの「夢」や「心」を育む、そして製品の対価が働く人たちの前向きな意識につながる、そのような循環はすばらしい。「東海ろうきん傍楽ファンド」の理念との一致度も高いですが、課題はやはり販路の確保とそのための人的スタッフ・連携先づくりでしょう。

●事業名:聴覚障害者のための日本語教室
・団体名:指定NPO法人名古屋ろう国際センター
・事業拠点:名古屋市西区
・助成金額:300,000円
・選考委員の講評:聴覚障がい者にとっての第一言語は手話で、日本語は、あくまで第二言語とのこと。就労の壁となっている日本語習得のための指導者や計画が明確で、実現可能性は高いと考えました。また、就労できていないと月謝を支払うことも難しいことから、助成の必要性は高いと考えました。この事業を通じて、聴覚障がい者のみなさんが日本語を身につけ、就労につながることを期待しています。

▼応募事業・団体の概要(応募件数:8事業)
※CANPAN★5つを取得できなかった1団体を除く

●分野
□障がい者:3(43%)
□働き方:1(14%)
□子ども・教育:3(43%)

●申請総額(264万円)
□1事業あたりの平均申請額:37万円
□申請事業の予算総額:569万円
□1事業あたりの平均予算額:81万円
□助成金利用比率:46%

●種別
□NPO法人:6(86%)
□任意団体:1(14%)

●活動年数
□5年以上:3(43%)
□3年以上~5年未満:2(28%)
□0年以上~3年未満:2(28%)

●有給スタッフ数
□5人~10人:1(14%)
□3人~4人:1(14%)
□1人~2人:2(29%)
□0人:3(43%)

●年間予算規模(直近決算での経常収入)
□5,000万円以上:1(14%)
□1,000万円以上:1(14%)
□500万円以上~1,000万円未満:1(14%)
□100万円~500万円未満:1(14%)
□100万円未満:3(42%)

以上