「名フィル子どものエール基金」2013年度助成先選考結果
▼「名フィル子どものエール基金」とは?
名フィル子どものエール基金は、“子どものエール(応援)”により設置されたあいちコミュニティ財団初の冠基金です。名古屋フィルハーモニー交響楽団が、小学校に対して音楽教育のアウトリーチ活動を行うとともに、その小学校の子どもたちが出演するコンサートを開催。コンサートの入場料を利用し、地域の課題解決に挑む市民公益活動団体(NPO)に対し、活動資金が配分されるしくみです。
このプロセスを通して子どもたちによるエールを集め、自団体の組織基盤を強化したい、配分対象となる助成先を募集しました。
※本基金は、公益財団法人名古屋フィルハーモニー交響楽団が公益財団法人日本財団からの助成を受けて、設置・運営されています。
▼選考委員会 ※★:委員長
・秋田稲美氏(一般財団法人あいちコミュニティ財団 評議員/一般財団法人ラン・フォー・ピース協会 代表理事)
・金田学氏(一般財団法人あいちコミュニティ財団 理事/地方公務員)
・河野弓子氏(NPO法人あっとわん代表理事)
★北瀬尚之氏(株式会社おとうふ工房いしかわ常務取締役)
・吹上康代氏(名古屋市市民活動推進センター 所長)
▼委員長総評
「名フィル子どものエール基金」の2013年度助成先を決める選考委員会は、2013年12月25日(火)の18時から3時間に渡って行われました。私自身初めての経験で、予備知識も足りない中で、他の選考委員たちのフレッシュな情熱といろいろな角度から見た選評に助けられ、濃密な選考会となりました。
今回の申請数は9団体で、最終的には5団体を選定しました。各団体は子どもの教育、食育、障がい者の社会参加など、地域が抱えるさまざまな社会問題に取り組まれています。それぞれに設立からの歴史や経験の差はあるものの、目指すビジョンや団体の役割は十分伝わりました。一方で、具体的な事業の計画性や収支予算の積算に課題が見られました。
また本選考会では、「子どもたちへの寄付教育」という本基金の趣旨も考慮し、子どもたちが理解・共感できる地域の問題や解決策かどうかも検討しました。選考過程では、各選考委員の評価点を積み上げるとともに、子どもたちの未来にエールを送りたいと考える事業を重視し、最終的には選考委員の合意をもって5団体を選定しました。
地域の課題解決に必要な資金を子どもたちが集め、その配分を子どもたちが決めるという本基金のしくみには、選考委員たちもみな、感動を覚えました。
今回選定された5団体のみならず、選考に漏れた団体も地域や社会の問題に対し、これからも熱い想いをもってその解決に取り組んでいただきたいと思います。
一般財団法人あいちコミュニティ財団
「名フィル子どものエール基金」
2013年度選考委員会
委員長
北瀬尚之
募集要項はこちらをご覧ください。
▼選考委員会(書類選考)
・応募件数:9事業(申請総額:480万円)
・選考対象数:8事業
・採択件数:5事業
●事業名:子どもと一緒に街頭パトロール!
・団体名:NPO法人全国こども福祉センター
・事業拠点:名古屋市北区
・分野:子ども・教育
・選考委員の講評:
難しい社会問題に対し、広く共感される解決方法をもって取り組んでいることに応援したいと思いました。また、子どもや若者が中心となって目線を合わせながら、子どもに寄り添って話を聞く時間を大切にする思いに共感しました。居場所のない子どもへ安心できる居場所を提供する理念に力強さを感じました。
●事業名:障がいの重い子どもの子育ち支援~食べること、ふれあうことを大切に~
・団体名:NPO法人ひろがり
・事業拠点:名古屋市港区
・分野:障がい者
・選考委員の講評:
重度障がい児の支援は、今後さらに必要性が増すと言われています。誰もが住みやすい地域になることを願う事業には、制度と地域社会のしくみをタイムリーに知ることと、人とのつながりを丁寧に紡いでいくことが必要だと思います。団体が目指される活動を今後も見守り、応援していきたいと思っています。
●事業名:学校に行かない、行けない子どもの居場所づくり事業
・団体名:NPO法人こどもNPO
・事業拠点:名古屋市緑区
・分野:子ども・教育
・選考委員の講評:
「子どもは社会を構成する一員であり、人の役に立ちたい、社会に参画したいという気持ちや、社会のしくみ、望む未来を大人とともに創る力をもっている」というビジョンを持った団体の活動が、学校に行けない、行かない子どもたちの傷ついた心に元気を取り戻すこととなり、名古屋から日本の元気を創ることになると期待しています。
●事業名:マイチャレンジインターンシップ2014
・団体名:NPO法人アスクネット
・事業拠点:名古屋市熱田区
・分野:子ども・教育
・選考委員の講評:
子どもたちが理想を抱き、夢に向かって生きられる社会は、誰にとっても望ましい社会です。もし、さまざまな理由から「学校から職場への円滑な移行」を阻まれている子どもがいるとしたら、なんらかの手を打たねばなりません。団体の提案は、この課題に正面から向き合い、学生が自らの未来に希望が持てるような画期的な取り組みだと思いました。
●事業名:<バンジーチャイム演奏会>普及事業
・団体名:NPO法人楽知ん研究所
・事業拠点:名古屋市名東区
・分野:文化・スポーツ・科学
・選考委員の講評:
一番のポイントは、楽しみながら「科学的にものを考える力」を養うとともに、社会参画への「きっかけづくり」までできてしまうという企画のユニークさです。また、誰でもすぐに演奏に参加できるという「バンジーチャイム演奏会」講座の発想が、本基金の音楽教育ともマッチしていると思います。
▼応募事業・団体の概要(応募件数:9事業)
●分野
□子ども・教育:5(56%)
□障がい者:1(11%)
□お年寄り:1(11%)
□多文化共生:1(11%)
□まちづくり:0(0%)
□働き方:0(0%)
□文化・スポーツ・科学:1(11%)
□環境:0(0%)
□NPO支援:0(0%)
●申請総額(480万円)
□1事業あたりの平均申請額:53万円
□申請事業の予算総額:958万円
□1事業あたりの平均予算額:106万円
□助成金利用比率:50%
●種別
□NPO法人:8(89%)
□任意団体:1(11%)
●活動年数
□15年以上:1(11%)
□10年以上~15年未満:2(22%)
□5年以上~10年未満:1(11%)
□3年以上~5年未満:1(11%)
□0年以上~3年未満:4(45%)
●有給スタッフ数
□10人以上:2(22%)
□5人~9人:1(11%)
□3人~5人:1(11%)
□1人~2人:1(11%)
□0人:4(45%)
●年間予算規模(直近決算での経常収入)
□5,000万円以上~1億円未満:2(22%)
□1,000万円以上~5,000万円未満:1(11%)
□500万円以上~1,000万円未満:1(11%)
□100万円以上~500万円未満:5(56%)
以上