「住友理工あったか未来基金」2015年度助成事業報告

●事業名:子育てに役立つ日本語教材配布事業
・団体名:NPO法人にわとり
・助成金額:443,000円
※解決に挑んだ【地域課題】と【解決策】は、下記をご参照ください。
【地域課題】予防接種制度を知っている外国につながる人は54.9%(2011年度)
【解決策】子育てに役立つ日本語教材配布事業

【助成事業に取り組む中で、最も印象的なストーリー】

S市で外国人の親向けに、この冊子を使った子育て教室を行いました。その日の予定が終了したとき、ある国出身の母親が思い詰めた様子で、私のところに相談に来ました。「娘に吃音の症状が見られる。大きな病院にも行っているが、改善が見られない。私が日本語をうまく話せないのがいけないのか」と。

「その子はしゃべりたいことがたくさんありすぎて、そうなっちゃうのかもしれないね。じっくり話を聴いてあげてね。」「このカード(カラフルなイラストつきの多言語の五十音表)を使って、日本語やお母さんの国の言葉で遊ぶといいかもしれないね。」と私は言いました。

次の週も、そのお母さんは、子育て教室に来てくれました。心なしか表情が明るいように感じました。その日も終了後、そのお母さんは私に話をしに来てくれました。「先生、本当にありがとう。子どもの話し方がよくなってきた。私が落ち着いて話を聞いてあげるのがいいのかもしれない。私の国の言葉も少しずつ教えていて、それも子どもはうれしそう。」と。私は療育の専門家ではないですが、この冊子をきっかけとして、うまくいかない子育てに悩むお母さんの気持ちを受け止めることができた、親子で楽しく過ごす時間を作り出すきっかけを作ることができた、この冊子を作って本当によかった、としみじみ思った瞬間でした。

子育てに役立つ日本語
※子育てに役立つ日本語(表紙)

住友理工にわとり※写真は瀬戸市での子育て講座の様子

●事業名:親子合唱団で不登校をなくしていく事業
・団体名:NPO法人しんしろドリーム荘
・助成金額:105,000円
※解決に挑んだ【地域課題】と【解決策】は、下記をご参照ください。
【地域課題】新城市内の不登校児童生徒数は小学校が全国平均の1.61倍
【解決策】親子合唱団で不登校をなくしていく事業

【助成事業に取り組む中で、最も印象的なストーリー】
本合唱団では、子どもと大人が、ともに公演成功という同じ目標に向けてがんばるところによさがあります。子どもたちにとっては、親以外の大人との練習で、家庭や学校以外のさまざまな価値観に触れることもできます。また、母親や父親が子どもとともに悩み成長する様子も目にすることができます。

本助成事業に取り組む中で、2年という短期間をこの地で過ごすこととなった子どもが、練習をともにしてきましたが、父親の仕事の関係で、3月に引っ越していきました。その子は不登校ではありませんでしたが、まだ小学校3年生。短い期間の中で学校に慣れることは、とても大変なようでした。特に、ここ新城市のような田舎では、周りはみんな小さい時からの顔見知りの関係ができています。その中での学校生活には、大変な苦労があったと想像します。

そんな中、しんしろ星の子合唱団を居場所と思っていただけたのでしょうか、その子は母親と一緒に休みなく通い、母親もいろいろな悩みを団員に打ち明けていました。母親が元気になることが、子どもが元気になることに通じます。母親のそばで同じ顔をして話を聞く、その子の姿が今でも思い出されます。お別れの時には、団員一人ひとりに手紙を書いてくれて、この合唱団がこの地での生活の大きな支えであったと感謝の言葉をいただきました。

別添-1)団員募集チラシ-001※合唱団員募集チラシ(表)

しんしろ3※写真は合唱を発表する様子

●事業名:産後サポーター養成講座プレ事業
・団体名:NPO法人ファミリーステーションRin
・助成金額:300,000円
※解決に挑んだ【地域課題】と【解決策】は、下記をご参照ください。
【地域課題】日進市の子育て中の家庭の56%が「家事が思うようにできないこと」を不安・負担に感じている(2015年)
【解決策】産後サポーター養成講座プレ事業

【助成事業に取り組む中で、最も印象的なストーリー】
法人の活動を通して、一つのテーマとしている「支援の循環」を今回の講座開催を通して実現することができました。講座の開催を多方面に広報し、普段当法人を利用してくださる、利用者の方にも何度か質問を受け、事業の主旨や講座について説明させていただく中で「私も受講したい」と言ってくださる方が10名ほどいました。

中には「以前、支援センターの子育てプログラムを受講しました。いずれは私も、あのファシリテーターのようになりたいと思いました。そのための一歩として今回の講座を受講したいと思いました」と話してくださった方がいました。また、長く当法人を利用してくださっている方は「春から娘が幼稚園に行くので何をしようかなと考えていました。お世話になったRinさんの活動をちょっとだけでもお手伝いできれば」と言ってくださった方もいました。

子育ては当事者期間が短いため、当事者でなくなっても「次の世代の当事者のために」活動をしてくれる人がいなければ、事業や組織が廃れてしまいます。しかし、いままでの活動を通して「次の世代の当事者のために」立ちあがってくれた人が複数いたということは、子育て支援の未来は明るい、と思わせてくれました。

住友理工Rin※写真は沐浴実習の様子