「あいちの課題深掘りファンド」2016年度助成先選考結果

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▼「あいちの課題深掘りファンド」とは?
「あいちの課題深堀りファンド」は、市民公益活動団体(NPO)が解決に挑む地域や社会の課題を深く追求する(深掘りする)ことで、その課題の緊急性や重要性を伝えられるようになることを目指して設置されました。
http://aichi-community.jp/kikins/14543

▼選考委員会 ※★:委員長
★石垣智徳さん(南山大学大学院ビジネス研究科 ビジネス研究科長 教授)
・北瀬尚之さん(株式会社おとうふ工房いしかわ 常務取締役)
・牧野隆広さん(株式会社ミライプロジェクト 代表取締役)
・宮原知沙さん(一般社団法人地域問題研究所 副主任研究員)
・山口智絵子さん(愛知県 県民生活部 社会活動推進課 主幹)

▼委員長総評

3月26日(土)、事前の書類選考等を経て、たくさんの参加者に見守られながら、最終(公開プレゼンテーション)選考が行われました。「外国人聴覚障害者、日本語教室を必要とする聴覚障害児童数調査」「外国人の若者のキャリア支援における課題調査事業」「蟹江小学校区の子どもの遊び場不足についての問題調査事業」「プレーパークの有用性を深堀りする」「潜在的な引きこもりの実態調査」と、「地域」「子ども」「キャリア支援」という3つの領域にわたる団体からの発表と質疑応答が活発に行われました。

5団体の発表と質疑応答を通して、「あいちの課題深堀りファンド」がすすめる創造的市民活動推進のための方向性は以下の4つにまとめられるのではないでしょうか。

1.生活の中の不安と危機感を越えていくために、生活者の視点から必要なコトを発見しよう。
2.どこに漠然とした不安あり、それを解決するには何を数値として見えるようすべきか考えよう。
3.数値がどのようになれば、課題が解決したといえるのかその目標を立てよう。
4.たった1回の試行ではなく、多方面、複数回の検証をしよう。

このように市民公益活動団体(NPO)が解決に挑む地域や社会の課題を深く追求する(深堀りする)ための、基本的な考え方が何であるかが明らかとなりました。

今回最終選考に残った5団体の中で、問題意識が実践展開につながるという条件を備えていること、設定された選考基準を概ね満たしており、評価が高かったこととで、3団体が選ばれました。今後は、サポート役のボランティアスタッフやアドバイザーとともに地域のみなさんとあらためて計画を練り直し「解決に挑む地域の課題」と「解決策の先行事例」を可視化できることを期待しています。

公益財団法人あいちコミュニティ財団
「あいちの課題深掘りファンド」
2016年度選考委員会 委員長
石垣智徳

募集要項はこちらをご覧ください。

▼選考委員会(公開プレゼンテーション選考)

・応募件数:8事業(申請総額:80万円)※CANPAN★5つを取得できなかった1団体を除く
・選考対象数:7事業
・採択件数:3事業

●事業名:外国人聴覚障害者、日本語教室を必要とする聴覚障害児数調査
・団体名:NPO法人名古屋ろう国際センター
・事業拠点:名古屋市西区
・助成金額:10万円
・選考委員の講評:聴覚障がい者のための言語や手話また便利なツールはあるかもしれませんが、街中や職場、ネット上どれをとってもまだまだ聴覚障がいの方には環境が整っているとは言いがたいです。なかでも外国人の耳の聞こえない方をサポートする団体は日本でも他にないのが現状です。少数とはいえ、そうした不便を感じている方がどの程度いて、何を望んでいるのかを深堀りする調査はこの先にある課題解決に向けての重要な活動です。耳が聞こえないことが、夢や希望をあきらめる理由にならない。そんな世の中にしたい。少しでも役に立てればと思いました。

●事業名:外国人の若者のキャリア支援における課題調査事業
・団体名:NPO法人フロンティアとよはし
・事業拠点:豊橋市
・助成金額:10万円
・選考委員の講評:国籍を問わず、若い働き手はこれからの日本にとってとても貴重な戦力だと思います。ミスマッチが起きているとすれば大きな損失ですね。国籍を意識しない業界、人手不足で困っている業界がたくさんあります。こういった業界のニーズをしっかり調査し、時代に合ったキャリア支援が活発になることを期待しています。

●事業名:潜在的な引きこもりの実態調査
・団体名:NPO法人社会復帰支援アウトリーチ
・事業拠点:一宮市
・助成金額:10万円
・選考委員の講評:増え続ける引きこもりの実態を調査し、在宅ワークを通して社会とつながる仕組みづくりができれば、引きこもりの人たちだけでなく、地域にとっても大きな力になると思います。戸別調査は、粘り強さと丁寧さが求められる作業ですが、地域の宝を掘り起こす、意義のある調査ですので、しっかりと取り組んでいただくことを期待しています。

▼応募事業・団体の概要(応募件数:8事業)
※CANPAN★5つを取得できなかった1団体を除く

●地域
□尾張地区:2(28%)
□名古屋地区:3(42%)
□知多地区:1(14%)
□三河地区:1(14%)

●分野
□子ども・教育:1(14%)
□障がい者:1(14%)
□お年寄り:0(0%)
□多文化共生:1(14%)
□まちづくり:3(42%)
□働き方:1(14%)
□文化・スポーツ・科学:0(0%)
□環境:0(0%)
□NPO支援:0(0%)

●申請総額(70万円)
□1事業あたりの平均申請額:10万円
□申請事業の予算総額:87万円
□1事業あたりの平均予算額:12万円
□助成金利用比率:80%

●種別
□NPO法人:5(71%)
□任意団体:1(14%)
□その他:1(14%)

●活動年数
□10年以上~15年未満:1(14%)
□5年以上~10年未満:3(42%)
□3年以上~5年未満:1(14%)
□0年以上~3年未満:2(28%)

●有給スタッフ数
□10人以上:1(14%)
□1人~5人:4(57%)
□0人:2(28%)

●年間予算規模(直近決算での経常収入)
□1,000万円以上:1(14%)
□500万円以上~1,000万円未満:2(28%)
□100万円~500万円未満:2(28%)
□100万円未満:2(28%)
以上