「あいちの課題深掘りファンド」2015年度助成先選考結果

「あいちの課題深掘りファンド」2015年度助成先選考結果

フカボリ2015

▼「あいちの課題深掘りファンド」とは?
「あいちの課題深堀りファンド」は、市民公益活動団体(NPO)が解決に挑む地域や社会の課題を深く追求する(深掘りする)ことで、その課題の緊急性や重要性を伝えられるようになることを目指して設置されました。

▼選考委員会 ※★:委員長
・石垣智徳さん(南山大学大学院ビジネス研究科 ビジネス専攻主任 教授)
★延藤安弘さん(NPO法人まちの縁側育くみ隊 代表理事)
・金田学さん(公益財団法人あいちコミュニティ財団 理事/地方公務員)
・土井佳彦さん(NPO法人多文化共生リソースセンター東海 代表理事)
・間瀬康文さん(ブラザー工業株式会社 コーポレートコミュニケーション部 コーポレートブランドグループ 企画管理 チーム・マネージャー)
・宮原知沙さん(一般社団法人地域問題研究所 副主任研究員)

▼委員長総評

3月29日(日)、事前の書類選考等を経て、多くの参加者が見守る中、最終(公開プレゼンテーション)選考を行いました。「県有地の市民的活用の必要性・可能性の検討調査」「産前産後の育児不安軽減の可能性」「高齢者お出かけ支援と生きがい作りのニーズ」と、「まちづくり」「子ども」「高齢者」の3つの領域にわたる団体からの発表と質疑応答が活発に行われました。

3団体の発表と質疑応答を通して、「あいちの課題深堀りファンド」がすすめる創造的市民活動推進のための共通するキーワードがみえてきました。

1.不安と危機感を越えていくために、生活者の視点から創造的活動への方向感を発見しよう。
2.活動につながる調査=アクション・リサーチは、いろいろな当事者が自ら動くしかけを視野に入れよう。
3.ぼちぼちと、課題設定からその実現に向けての多様な手段のタンケン・ハッケン・ホットケンへ赴こう。
4.リーズナブル&わくわく、筋道立てて笑顔で楽しく進めよう。

4つのキーワードの頭文字をつないでみると、「ふ・か・ぼ・り」となりました。市民公益活動団体(NPO)が解決に挑む地域や社会の課題を深く追求する(深堀りする)ことにおいて、重要な基本的作法が何であるかが明らかとなりました。

今回最終に残った3団体は、これらを相対的に問題意識としてかつ実践展開につなぐ条件を備えておられることと、かつ、当初用意した選考基準を概ね満たしておられることとで、3団体とも選ばれることになりました。今後、事業実施期間にサポート役のボランティアスタッフやともに動く地域のみなさんとあらためて計画をよりよい方向に練り上げ、「解決に挑む地域の課題」と「解決策の先行事例」を可視化できることを期待しています。

公益財団法人あいちコミュニティ財団
「あいちの課題深掘りファンド」
2015年度選考委員会 
委員長
延藤安弘

募集要項はこちらをご覧ください。

▼選考委員会(公開プレゼンテーション選考)
・応募件数:6事業
・採択件数:3事業

●事業名:高森台県有地の活用に対する高蔵寺ニュータウン市民の意識調査事業
・団体名:高森台県有地の活用を提案する市民の会
・事業拠点:春日井市
・助成金額:10万円
・選考委員の講評:高蔵寺ニュータウンは代表的な高齢者タウンで、その再生は全国的に注目されており、先進的で意義深いとの意見が多く出ました。今後の方向性としては、春日井市全体の市民参画のあり方というよりも、高蔵寺ニュータウン、特に高森台県有地周辺住民の巻き込みにターゲットを絞って調査を行う方が効果的であると思いました。

●事業名:産前産後の育児サポートによる育児不安軽減の可能性
・団体名:NPO法人ファミリーステーションRin
・事業拠点:日進市
・助成金額:10万円
・選考委員の講評:団体が取り組む社会課題は、少子化が叫ばれる日本における共通課題なので、豊明市などの先行事例から学ぶことが重要だと思います。その一方で、日進市での調査では地域固有の課題や地域資源が見える化され、具体的な対応策が見えてくると思います。今回の深堀りでは、ぜひとも課題の一般的な見える化に終わることなく、日進市での実態とその対策案、実現にむけて巻き込むべき地域資源の見える化まで踏み込んでいただきたいと思います。

●事業名:高齢者お出かけ支援と生きがい作りに関するニーズ調査
・団体名:NPO法人ing
・事業拠点:安城市
・助成金額:10万円
・選考委員の講評:問題は起きてから対処しては遅い。起きてしまった問題への解決よりも、問題が起きないようにする予防策のほうが何倍も大きな価値を持つ。今回のチャレンジは、社会活動の真髄だと受け止めました。既存の支援制度から抜け落ちていることに光を当て、わたしたちがともに考えていくきっかけをつくっていただけることに感謝し、心から応援します。

▼応募事業・団体の概要(応募件数:6事業)

●申請総額(60万円)
□1事業あたりの平均申請額:10万円
□申請事業の予算総額:73万円
□1事業あたりの平均予算額:12万円
□助成金利用比率:82%

●種別
□NPO法人:5(83%)
□任意団体:1(17%)

●活動年数
□5年以上:3(50%)
□0年以上~5年未満:3(50%)

●有給スタッフ数
□10人以上:3(50%)
□1人~5人:2(33%)
□0人:1(17%)

●年間予算規模(直近決算での経常収入)
□1億円以上:2(33%)
□1,000万円以上~5,000万円未満:2(33%)
□500万円以上~1,000万円未満:1(17%)
□100万円未満:1(17%)

以上