「あいち・なごや・つながる基金」2019年度助成先選考結果
【応募状況】
◇応募件数 32事業
◇分野(重点的テーマ2つまで選択)
子ども・教育:17件 障害者:6件 お年寄り:3件 多文化共生:4件
まちづくり:4件 働き方:2件 文化・スポーツ:3件 環境:3件
◇申請団体
任意団体:16団体 認定NPO法人:1団体 NPO法人:12団体 一般社団法人:3団体
【選考結果】
◇プレゼンテーション選考件数:5事業
◇採択件数:3事業
【選考委員会】
市野 恵さん(特定非営利活動法人地域福祉サポートちた代表理事)
酒向清治さん(瀬戸信用金庫総合企画部地域貢献グループ長)
柴田 学さん(金城学院大学准教授)
新美君栄さん(名古屋市市民活動推進センター所長)
由里宗之さん(公益財団法人あいちコミュニティ財団副代表理事)★委員長
【委員長総評】
今回、多様なテーマにわたる多数の申請がありました。申請団体も多様で、様々な方たちが様々な方法で、地域課題の解決に取り組んでいただいていることがよくわかりました。
「想いをいかに書類に落とし込むか」はとても難しい作業ですが、その前提として、現状課題の把握、目標の設定、現実的な事業計画の策定、将来的なビジョンなどがきちんと描けているかどうかがポイントになります。プレゼンテーション選考に進んでいただいた5団体はいずれも、そうした項目が明確に記述されており、プレゼンテーションでも熱い想いが伝わってきました。どれも事業としては成果が期待できるすばらしいものでした。選考委員の点数も僅差で、採択についての意見も割れましたが、長時間にわたる議論の結果、最終的には、3団体に助成金を交付することになりました。
3団体に決定したそれぞれの理由は別途記述させていただきましたが、全体として、当基金による支援の必要性の度合いが高い事業、また当地域で今、特に取り組みたいテーマを優先的に採択させていただいた結果になりました。本来ならすべての事業を支援したいところですが、残念ながら財源には限りがあります。書類選考も含めて、今回惜しくも採択にいたらなかった団体のみなさまも、地域の中の様々な支援の仕組みを活用しながら、事業を実施していただければと期待しています。
「あいち・なごや・つながる基金」
2019年度助成団体選考委員会
委員長 由里宗之
【助成事業】
●難民応援DAN養成講座(特定非営利活動法人名古屋難民支援室)
難民についての理解を広げ、一人ひとりが自分にできる支援の形をみつけるための「難民について初めて知る講座」を開催。また、講座テキストや内容の開発、ボランティアを育成するための「難民応援DAN養成講座」を開催し、継続的な支援体制を整える。
助成金額:900,000円
<採択理由>
外国人労働者が注目を集める中、難民については馴染みが薄く、支援する団体も少ない。
支援する日本人の理解不足からくる不用意な言動によって、難民を危険にさらしてしまう事例も少なくないため、課題としては深刻である。これまであまり取り上げられてこなかったテーマであり、支援の仕組みも限られていることから、本事業により、全国的にも活用できる講座やテキストを開発し、継続的な体制を整えることができれば、とても大きな成果が期待できると評価された。
●外国ルーツの若者に対するキャリア教育支援プロジェクト(一般社団法人DiVE.tv)
外国にルーツをもつ13~18歳の若者が将来どのような職業につきたいか等のキャリア観を調べるためのアンケート調査、キャリアについて学ぶ多文化キャンプ、職場見学会、若者の教育に携わる支援者を対象とした多文化教育フェスを開催する。
助成金額:450,000円
<採択理由>
当地域は外国人住民が全国でも2番目に多く住んでいる地域であり、子ども、若者の教育は喫緊の課題となっている。中でも、キャリア教育については情報も人材も不足しており、今後外国人がますます増えてくることを考えると、教育関係者、企業に働きかける本事業は重要であり、ひいては、日本人の若者のキャリア教育にもつながると評価された。
●発達障がい等、働く上でのコミュニケーションに生き辛さを抱える人のための「コミュニケーションワークショップ事業」、および、企業等への「発達障がい理解促進事業」
(認定NPO法人パンドラの会)
コミュニケーションに不安を抱えている発達障がいのある人を対象に、「コミュニケーションを楽しく試すワークショップ」を開催するとともに、企業や教育機関等に、大人の発達障がいについて理解を深めてもらうための報告会を開催する。
助成金額:450,000円
<採択理由>
発達障がいの課題も、ここ数年深刻になっている。本事業では、発達障がいのある方たちを対象に事業に取り組みつつ、たとえば、ひきこもりの若者、がん患者など、同じように生き辛さを感じている人たちが、地域の中でつながり、就労の機会を得て、自分らしく暮らしていけるよう、多様な機関、団体と連携するという点が評価された。