【申請事業の詳細】「外国人の子どもと発達障がい」に関する調査及び地域連携事業

申請団体名:NPO法人多文化共生リソースセンター東海

【課題を共有して巻き込みたい対象者】
(1)教育機関(学校、教育委員会、NPO)
理由:発達障がいの外国人の子どもと日々関わりがあり、子ども達の状況をよく理解されているため。
(2)行政関係者(国、県、地方自治体)
理由:発達障がいの外国人の子どもを地域で支える体制を整えるために、協働することが必要不可欠であるため。
(3)日本人の発達障がいのお子さんや保護者を支援している方(放課後等デイサービス、NPO)
理由:これまでに取り組まれてきた支援について学ばせていただくとともに、発達障がいの外国人の子どもをともに支えていく仲間になっていただきたいため。

【解決策の先行事例】
(1)一般社団法人One Life(名古屋市)
先行事例だと思う理由:運営する放課後等デイサービスに、外国人の子どもが通えるよう、ブラジル人保護者とともに支援策を検討されているため。
(2)犬山市
先行事例だと思う理由:幼少期から大学卒業後まで支援をつなぐために、
個別の教育支援計画を作成して支援に取り組んでいるため。
(3)HARVEY&MACLAURIN(運営:NPO法人蒲郡センター)
先行事例だと思う理由:ポルトガル語がわかる専門家を置き、外国にルーツのある子どもの発達障がいの支援を行っているため。

【申請事業(課題&先行事例の可視化)終了後に想定する解決策】
先行事例と可視化された課題をもとに、発達障がいの外国人の子どもを地域で支えるための不足点を補う方策を関係者とともに探り、関係機関とともに仕組みづくりに取り組みたいと考えています。予算や通訳のできる人材がいないと出来ない仕組みではなく、予算や人材の有無に関係なくどの自治体でもつくることのできる支援体制を構築することで課題の解決を目指します。

例:(1) 支援の必要な子どもに関わる関係者(担任、国際教室担当教員、特別支援学級教員、デイサービス、保護者、地域コミュニティ、行政、子育て支援団体等)が集い、個々の支援の状況等を共有し、よりよい支援策を検討する会議の定期的な開催
(2)関係者間での個別の支援シートの有効活用
(3) 既存のデイサービス等に外国人の子どもが通う際の支援ツールの開発

【課題の可視化による社会的インパクト】
<制度面でのインパクト>
愛知県内の発達障がいの外国人の子どもを取り巻く現状を本事業をきっかけに可視化し、継続的に調査、情報発信、政策提言していくことで、地方自治体において「外国人の子どもの発達障がい」は社会全体の課題であるという認識が進み、専門機関との連携の仕組みが整備されるなど、国籍や言語に限らず平等に福祉が受けられる環境が整っていくことを目指します。

<支援者及び受益者(外国にルーツのある発達障害のある子ども)へのインパクト>
社会的認知が進むことで、発達障がいの外国人の子どもの支援方法を研究する研究者が増えていくことが期待されます。例えば、日本福祉大学には発達障害について学ぶ学科があることに加え、第二外国語として愛知県内に多く居住する日系人の母語であるポルトガル語やスペイン語を専攻できるため、子どもへの直接的な支援者の増加はもちろんのこと、より良い支援に向けた研究が進むことが期待されます。

【3年後のありたい姿】
本基金を通して、Hopでは発達障がいの外国人の子どもを地域で支えるために不足している点を特定の地域に絞って調査し、Stepでは調査から明らかになった不足点を補い、地域で支える体制をつくるための方策を子どもを取り巻く関係者の皆さまとの検討会議等を通じて探り、JumpではStepで検証したことをもとに関係機関の皆さまとともに仕組みづくりに取り組みたいと考えています。それらの事業を通じて、3年継続助成終了時には、様々な関係機関が連携して発達障がいの外国人の子どもを地域で支える仕組みを構築し、他地域に水平展開できるようになっていることを目指します。