申請事業名:高齢者お出かけ支援と生きがい作りに関するニーズ調査
申請団体名:NPO法人ing
※両親です。昨年の白寿の祝いでの写真です。いわゆる老認介護。この二人、絶対にディにはいかない、サービス付き高齢者住宅にも入らない、と子どもたちを困らせています。認知症の食事と薬の管理、買い物、運動などできにくくなってきた母と生活に関する指示が全く入らない父。見守りや声掛けさえあったらもっとQOLを上げることができるのに、となかなか実家に帰れない親不孝な娘は思うのです。もちろん二人がほしい声掛け、見守りは子どもによるもので他人様によるサービスではないのでしょうが。
娘はというと昨年開設した市街地の多世代交流空間「ingハウスここから」での事業展開に奔走。介護予防につながる健康体操付き食事作りとおしゃべり交流できる集まりや歌声サロンを開催、一歩が踏み出せなくなる前に行ってみたいと思っていただける場を試行錯誤して作っています。しかし残念ながらサポートなしでは両親のような状況の高齢者は来ることができません。何があれば、どんな仕組みや内容があればここなら行ってみたいと思ってもらえるのでしょう。今回の深堀テーマはまさに我が家発。両親の「最期まで家で」の願いを少しでも長く守ってあげたいと思うのは国の政策を待たずとも、すべての子の願いではないでしょうか。
【深掘りしたい地域や社会の課題】
「同行同伴して外出を見守る支援があったら、またどのような地域メニューがあったら、どれだけの高齢者(認知症徘徊含む)が外出でき健康寿命維持と生きがいある人生最後の時間を過ごせるようになるのか」この課題を掘り下げたいと思います。
一人住まい、あるいは老老介護、同居家庭でも若い世代の日中不在により誰とも交流することなく一日を孤独に孤立して過ごされているご高齢者がたくさんおられます。足腰などの健康不安や若い世代への遠慮、高層集合住宅による孤立した状況により外出がおっくうになり、ますます運動不足と認知症へのリスクを高めているように思われます。ここで取り上げたい対象者は27年度4月から介護保険から外される現在の要支援1・2の方と、そこまでには至らず、なんとか自立度を保ててはいるものの一人で出かけるには不安を抱えている方々とそのご家族及び介護事業者です。厚労省発表によりますと予備軍も加えると10年後の「2025年には65歳以上の3人に1人が認知症」とのこと。私たちが認知症をどこまで自分事としてとらえられるのか、最期まで尊厳ある人生を過ごせるためにただその10年後を待つのではなく、今できることは何か迎え撃つ姿勢が求められているのではないでしょうか。
地域包括ケアシステムの構築によって増加する認知症高齢者を住み慣れた地域で支えようとしている今、当事者である市民自身ができることとして、本課題を深堀りしケアシステムの一助になりうるシステムと提供できるメニューを考案できたらと考えています。