申請事業名:潜在的な引きこもりの実態調査
申請団体名:社会復帰支援アウトリーチ
深夜のコンビニには引きこもり風の人がよくやってくる。仕事をしているような対外的な表情も感じられず、どこかゆるんだ印象。まるで存在しないかのように人と触れ合うこともなくある程度の時間を過ごして帰っていく。
引きこもりの人の実数を把握することは、対策を立てる上で必須で、さらに周りを巻き込んでいく時の説得材料にもなる。
【深掘りしたい地域や社会の課題】
課題を象徴するあいちの数字:
(1)求職活動期間別求職者数 1年以上 77,000人(うち2年以上42,000人)
(2)不就業状態別無業者 家事をしている者
平成19年 1,061,000人(男性53,000人)
平成24年 1,155,000人(男性75,000人)
(出所:平成24年 就業構造基本調査結果(愛知県分))
潜在的引きこもりの実態に関して、愛知県には77,000人もの「自称 求職中」という1年以上仕事をしていない人がいる。2年以上という人も42,000人いる。 これは、求職活動をしているのに採用されないのか、実際には求職活動をしていないのか、働く意欲の度合いと採用されない理由については不明なままである。また家事をしているという男性も22,000人増加している。この数字の中に引きこもりが含まれているのではないかと推測している。
潜在的な引きこもりは、支援も受けようとしないことが多いため、社会から孤立しがちになる。精神疾患が原因である場合もあり、家族だけに任せておくことは負担が大きい。
今後も労働人口は減少傾向にあるのに、なんらかの理由で労働できないでいる人が数万人いる。その労働できない理由を解消して、在宅でもいいので仕事をする機会を創りだすことが、ものづくり愛知の産業を支えるのではないだろうか?
【課題の当事者】
(1)性別:男/年齢:28歳/家族構成:両親、姉または妹/性格:おとなしい。親の言うことをよく聞く。反抗期があまりなかった。/生活シーン:大学卒業までは、比較的順調に進んできたが、就職がなかなか決まらず、なんとか就職したがすぐに退職。その後 求職活動をするも、決まっても1年程度で退職。現在は自宅で、過ごしている。友だちもほとんどおらず、没頭できる趣味もない。聴覚、触覚が敏感。相手と正面に向かい合うことが苦手。交渉するぐらいなら、やめてしまう。/総数:約447人(愛知県江南市28歳男性)
【課題が起こる原因の仮説】
(1)引きこもり、若年無業者であるという自覚がない、認めたくない、世間に知られたくないという思いから本人も家族も「仕事を探しているが なかなか見つからないだけ」と調査の時も周囲の人にも伝えているのではないか?
(2)携帯電話、スマホ、SNSの普及により、情報が安易に手に入るが、コントロールができないで振り回される。
(3)能力や個性、自分らしさなどが尊重されているが、自分自身にそれを見いだせない。
発達障害やコミュニケーション障害などで、人間関係に困難さを感じるため。