申請事業名:産前産後の育児サポートによる育児不安軽減の可能性
申請団体名:NPO法人ファミリーステーションRin
市内で「子育て家庭を訪問してくれる助産師さん」と言えば写真の市川みどりさん(70)。90年代前半から今も変わらず続けられている。子育て講座に招かれて話をすることもあれば、子育て家庭からのSOSに応じて相談・訪問・対応・経過観察までをこなしている状態がもう20年近く続いている。母親の状況によっては子どもを預かったり手作りの惣菜を持って訪問したりということもあるそうだが、このような活動はご本人の善意によるもので自治体や団体からの補助もなく、利用者から利用料をいただいているわけでもない。市内でこうした活動をしているのは市川さんただ一人である。
【深掘りしたい地域や社会の課題】
日進市では人口約80,000人の市に年間約1,000人の新生児が誕生している。その出生率は非常に高く、転勤で流入してくる世帯も多く、近くに頼れる親類や友人のいない家庭も多い。
一時保育・ファミリーサポートといった今ある日進市の支援サービスでは対応していない産後の家事・育児支援、子どもの親や兄弟が病気になった時の支援などの要望が増加している。(ファミリーサポートでの妊娠・出産に関連する問合せや支援の要望は年に10件程度ある。)
これに対し個人の善意で凌いできたケースも多々あるが、限界があり、継続可能な支援体制の形成、組織化が急がれている。この課題について、改めて検討してみると、さらに深い課題が潜んでいることに気づく。特に初めて子育てをする親にとって、経験の無い育児の負担(経済的・時間的・精神的・能力的)は、大きい。出産後の育児不安を家庭内で抱え込むリスク、それによって子どもの健全な発達を妨げるリスクなどが隠れてしまうことが懸念される。各家庭によって異なるニーズに柔軟に対応する支援サービスがないことにより、子どもを産み育てることを躊躇する家庭が少なくない。