申請事業名:「外国人の子どもと発達障がい」に関する調査及び地域連携事業
申請団体名:NPO法人多文化共生リソースセンター東海
※NPO法人交流ネットが運営する放課後等デイサービス
(登録している児童の半数がブラジルやペルーにルーツのある外国人の子ども)の様子
【深掘りしたい地域や社会の課題】
「あいちの課題深掘りファンド」を活用して行った調査(調査結果を下記に一部記載)を通じて、さらに深掘りが必要であると判明した課題
例:発達障がいの外国人の子どもの具体的なケース(いつ発達障がいの診断を受け、その後どのような支援を受けてきたか、現在の保護者の困りごと等)、特別支援の有無を判断する就学指導委員会への“外国人の子どもの状況を理解する委員”の参画の有無、発達障がいの外国人の子どもを支援する小中学校の体制等
※本事業では、特定の地域(候補地:知立市)を1つ限定し、教育・福祉関係者を中心に発達障がいのある外国人の子どもを取り巻く現状を調査することで何が不足しているのか、どのような体制が整えばさらにサポートを充実させることが可能なのかを明らかにする予定です。
<知立市を候補地に選んだ理由>
・愛知県内で最も外国人比率が高い(市町村総人口に占める割合6.26% ※2014年6月現在)ため。
・学校関係者やNPOを中心に調査に協力してくださる方がいるため。
【課題の状況】
1990年の入国管理法改正以降、日本に働きにくる外国人が増加しました。当初は数年で帰国する予定だった労働者も母国から家族を呼び寄せたり、日本で家庭を築いたりするなど、日本での暮らしが長期化するにつれ、外国人の子どもが増え、教育現場では日本語のわからない子どもに対して教師やNPO等が日本語及び教科の指導に日々苦慮しています。なかでも愛知県は日本語指導を必要とする外国人児童生徒数が全国でも最多の5,878人(平成24年5月現在)であり、その数は増加傾向にあります。近年では、彼らの中に発達障害の疑いのある子どもが増えてきており(※<参考>を参照)、彼らは今後ますます増加することが予測されますが、学校には彼らを専門に指導するスタッフは配置されておらず、教育現場ではより良い指導法を求め、試行錯誤の日々が続いています。こうした状況を受け、当団体では2014年7~9月に「あいちの課題深掘りファンド」を活用して自治体へのアンケートと学校教員やNPO等へのヒアリングを行い、発達障がいの外国人の子どもの現状を調査し、下記の結果を得ました。
「あいちの課題深掘りファンド」の調査結果(一部抜粋)
・特別支援学校や特別支援学級に在籍している外国人の子どもがいること
・市町村教育委員会では、特別支援の必要性を判断する際の要綱・規定はあるところとないところがあること
・発達障がいが疑われるが、日本語の理解不足として在籍学級とは別の国際教室等に対応を委ねられている子どもがいること
・障がいではなく、日本語の理解不足による学習の遅れや気になる行動と思われるが、特別支援学級に在籍している子どもがいること
<参考>
・文部科学省「日本語指導が必要な外国人児童生徒」の「特別支援学校」在籍数
平成19年度:49名→平成24年度:140名に増加(うち、東海4県で84名(60%)を占める)