あいちコミュニティ財団の今後に向けてのご報告

公益財団法人あいちコミュニティ財団は2018年6月13日に定時評議員会を開催し新体制を発足させ、6月24日に年次対話集会2018を開催しステークホルダーの皆様から貴重なご意見を頂戴いたしました。その後、理事会にて議論を重ね、この度、財団の総括と今後に向けての考えをご報告させて頂く運びとなりました。

===== ご 報 告 =====

公益財団法人あいちコミュニティ財団は、多くのみなさまにご迷惑とご心配をおかけしてきました。

今回のことは、理事会が、様々な問題に早い段階で気づき、その事実を認識し、対応しなかったこと、評議員会の組織改革委員会から総辞職勧告を受けた後も即座に対応策を講じ、公表しなかったことが大きな問題だったと、「組織のあり方」「組織としての弱さ」を重く反省しています。

あらためて、団体、寄付者、ボランティア、関係者のみなさま、そしてこれまで財団に関わってくださったスタッフのみなさまに、心からお詫び申し上げます。

再出発に向けて、これまでの活動を鑑み、根本的に不足していた部分、配慮が足りなかった部分を現段階で可能な範囲で、その原因と対策について検討してまいりましたので、そのご報告をさせていただきます。

なお、この報告はあくまで、財団が財団として検証・反省を行い、今後みなさまに信頼していただける組織運営や活動を行うためのけじめとして位置づけており、当時の特定の役員・スタッフなどの責任を追及するためのものではないことを追記いたします。

1.これまでの問題点と改善策 

【活動に関する問題】

問題1
地域で活動する団体と共に、課題解決に向けて活動すべき財団であるにもかかわらず、団体との信頼関係、協働関係が築けておらず、財団の想いを一方的に押し付けてしまう場面があった。

    

○財団の設立趣旨、役割を改めて再確認した。
○今後、団体や関係者のみなさまと直接コミュニケーションがとれる場と機会をつくる。たとえば、定期的に事務室でサロンを開催し、ボランティア、賛助会員など、自由に参加していただき、意見交換や交流ができる場をつくる。       

問題2
多くの事業を実施する中で、意思決定のプロセスや責任の所在が不明確で、記録が不十分であった。事業の組み立てやネーミングが複雑でわかりにくい上、会計が財団全体で機械的に按分されており、事業ごとの予算執行管理がされていない。その結果、寄付金の使途がわかりにくくなり、寄付者への説明が不誠実であった。

   

○2017年度の決算を事業ごとに整理した。(資料1⇒事業別決算 PDF92KB
○経理規程を見直した。
○事務分掌を明確にし、すべてのプロセスを書類として残すこと、決裁のまわし方など事務局内のルールを改め、それぞれの責任を明確にした。
○今後は、事業ごとの予算書を作成し、事業ごとに予算執行管理をする。
○事業内容、寄付金の仕組み等を見直し、明確にする。(→2.今後の事業計画)

【組織運営に関する問題】

問題3
スタッフの雇用に関する認識が甘く、就業規程等が十分に整っていなかった上、スタッフの権利、財団としての義務・責任が守られていなかった。

   

○スタッフの意見も踏まえ、ワークライフバランスも十分に考慮しながら就業規程等を改正し、スタッフに周知した。

問題4
スタッフ間のコミュニケーションがとれておらず、信頼関係が築けていなかったため、情報共有が著しく偏っており、意思決定のプロセスも明確でなかった。また、そうした状況を役員との間で共有できていない、また共有していても認識が不十分で具体的な対策がとられていなかった。

   

○週に1度事務局会議を開催し、情報を全員で共有し、自由に意見交換ができる場を設けた。
○スタッフと役員が常にコミュニケーションをとれるよう、新たに常勤の常務理事を配置し、体制を整えた。
○月に1度常務理事会を開催し、情報を共有する。そこには常務理事以外の理事やスタッフも出席できるようにするとともに、そこで話し合われたことは議事録として残し、すべての理事・スタッフと共有する。

 

2.今後の事業計画 (資料2⇒事業一覧 PDF479KB

事業については、みなさまのご意見を伺いながら、地域や社会の状況などに合わせ、柔軟に考えていきたいと思っていますが、現段階では、できるだけシンプルにわかりやすい形で枠組みを考えました。それぞれの事業の詳細な実施方法については、現在検討しているところです。
また、これまで関わっていただいたボランティアのみなさまにも、これまでどおりご支援いただきたいと考えており、どのような形で関わっていただけるか、みなさまのご意見を伺う場をつくりたいと思っています。

 

3.寄付金の考え方 

寄付については、寄付者や団体にテーマを選んでいただく「あいち・なごや・つながる基金(仮称)」と、特定の寄付者によるテーマを限定した冠基金の2種類で進めたいと考えています。
テーマは、あいち「見える化」ウェブの
①子ども・教育 ②障害者 ③お年寄り ④多文化共生 ⑤まちづくり
⑥働き方 ⑦文化・スポーツ・科学 ⑧環境 ⑨NPO支援
を踏まえて設定する予定です。運営方法、使途のルールなどについては、これまでの寄付者のご意見等も伺いながら、もう少し時間をかけて検討したいと思います。

 

4.最後に

あいちコミュニティ財団は、みなさまと一緒に地域の課題に向き合い、財団としての役割を果たしていきます。誠実に、謙虚に、学び続ける団体になります。そして、スタッフが、仕事をすることを誇りに思い、それぞれの経験から得た知見や専門性を発揮できる財団に育てていきます。さらに、みなさまに気軽に立ち寄っていただき、自由に意見を交わし合い、一緒に地域のことを考える場になります。
こうした想いを忘れずに、原点に立ち戻り、一から再出発します。
これまで以上に、みなさまのご支援、ご指導をいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

代表理事 榎田勝利
副代表理事 由里宗之
常務理事 栗木梨衣
理事 今井友乃
理事 加藤慎康
理事 金田 学
理事 北瀬尚之
理事 昇 秀樹
理事 星野 博
監事 今井秀明
監事 川口 創
監事 鳥居 翼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※この報告に先立ち、木村前代表理事がブログに謝罪文を掲載されました。木村氏から当財団のウェブサイトへのリンクを依頼されましたが、財団としては、リンクを貼ることは遠慮させていただきます。謝罪文内容については、木村氏ご本人の意思で書かれたものであり、財団とは関係ありません。しかし、木村氏の財団立ち上げの経緯、功績については感謝しており、今後のご活躍を心からお祈りしています。