【ミエルカ2015/代表者の志インタビュー】磯畑香苗さん(NPO法人ファミリーステーションRin)

磯畑香苗さんが「助成先が志を語るドネーションパーティ!」で語った“志”をお聴きになりたい方は、ぜひ、下記動画をご覧ください。

ママを助けたい! 自分の経験が活動の原動力に

私には9才の長女をはじめ、7才の長男、6才の次女、4才の次男の4人の子どもがいます。NPO法人ファミリーステーションRinの活動に参加したのは、第一子を出産してしばらく経ってからのこと。今から10年くらい前に、日進市に引越ししてきた際、市の子育て情報を掲載するフリーペーパーの創刊に携わったことがきっかけでした。

出産直後は些細なことも不安になる時期。私はその時期に近所で子育てのことを相談できる友人が少なく、追い詰められて苦しい日々を過ごした経験がありました。たわいのない話を聞いてくれる人がいるだけで、子育てへの気持ちも前向きになれます。子育ては楽しいことだけでなく、「つらい」と感じることもあります。大変なママたちに、子育て中の私だからこそできる支援があるはず! そう思ってRinの活動に参加しました。

磯畑さん3

一人で抱えず、誰かに頼ることの大切さ

体力を回復させるために、産後間もない時期の静養は欠かせません。しかし、同居する祖父母などがサポートしてくれた昔と違い、核家族化が進んだことで、家事や子育てをママ一人で負担する家庭が増えています。家事や子育ても大変ですが、さらに家で子どもとともに孤立したまま過ごすと、ママの精神面も心配されます。

私は、3人目の子どもが病気で生後6ヶ月になるまで、外出もできない期間がありました。そのときは週1回程度、自分の親に家事や上の子どもの面倒を見てもらいました。サポートがあったから乗り越えられたけど、一人だったらどうなっていただろう…と思います。少し助けてもらえるだけで、自分でできることが増えて、それが気持ちのゆとりにつながると実感しています。私が4人出産できたのは、サポートがあったからこそ。

生後、親が子どもとどのように関わるかが、子どもの発達に影響するとの研究結果も出ています。産後の支援は、親子にとってプラスとなります。

インタビューふたり

日進市で増えている孤育てママと子どもたちをほっておけない!

全国平均に比べて出生率が高い日進市では、年間約1,000人の赤ちゃんが生まれています。2015年に私たちが市内の子育て世代に行ったアンケートでは、「自分の代わりに育児をしてくれる人がいない」と答えた人が14%もいました。その中には、産後間もない時期で静養が必要な時期にも関わらず、家事や子育てを一人でしなければならない状況のママがいます。話し相手がいないと、ストレスがたまり、イライラを子どもたちにぶつけるしかなくなってしまう場合もあります。このような状態は、子どもにとってもよくありません。

そこで、私たちは地域の子育て経験者が孤立したママと子どもたちの自宅に訪問し、家事や育児を支援する「にっしん産後サポート事業」をスタートしようと考えています。ちょっとした会話でも、同じママの立場だからこそ、気持ちに寄り添える支援を。ママの負担を減らし、健全な親子関係を築けるよう。そして、いずれ大人になり、地域の担い手となる子どもたちの成長を一緒に支えませんか。

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「取材したフレンドレイザーの声」北原早知子さん(会社員)

第一子を出産した際、出産前に思い描いていた授乳シーンとの違いにショックを受けたことを磯畑さんは取材の中で話してくれました。子どもは思うように母乳を飲まず、どんどん張ってきて痛みを増す胸に、どうしていいかわからず焦ったそうです。そのとき相談した助産師さんの一言、「大丈夫だから、落ち着きなさい」。その言葉で、張り詰めた気持ちが和らぐのを感じたそうです。

たった一言でも精神状態はずいぶん変わる。自身が子育ての大変さを経験したからこそ、「にっしん産後サポート事業」にかける思いは人一倍強い磯畑さん。単なる家事、育児支援にとどまらず、その先に立つ子どもたちの将来も考えた取り組み。それは地域のつながりが希薄化している今だからこそ、必要な仕組みだと感じました。

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NPO法人ファミリーステーションRinの事業指定プログラム「ミエルカ」2015~安心して子育てできるまちづくり〜「にっしん産後サポート」事業立ち上げに向けて〜~を寄付で応援したい方はこちらからどうそ!